アマレット (ページ46)

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今夜は久しぶりに、絵里にご飯に誘われて会うことになった。
別々の大学に進学したけど、絵里とは今も時々会ってる。

「A～こっちだよー」

「あ、ごめん遅くなっちゃった」

二人ともあんまり飲めないから、お酒よりもご飯が美味しかったり、店内が可愛かったりなお店を選んでる。
彼氏とは行きにくいジャンルとかもあるしね。

「‥ねぇ、私に話したいことあるでしょ？」

「え…何それ、どーゆうこと？」

「ふふふ、この前ミツに呼び出されたんだよねぇ。
最近、一緒に仕事してるんでしょ？どう、久しぶりに会って」

絵里はどこまで知ってるんだろう。
下手なことも言えないし‥

「…変わってないよね、基本的には。でも、昔よりすごくしっかりしたと思う」

「まぁ、そうだよね。…じゃなくてさ、ぶっちゃけAって、当時ミツのこと好きだったでしょ？」

「…分かってたの？」

「そりゃ、分かるよ。だからさ…山田くんと付き合うって言うのはじめはビックリした。
ミツのこと好きなのに、どうして山田くん？って」

「…ね。怖くなっちゃったんだよ、フラれるの。だから、楽な方に流されちゃったのかなぁ。

なんだ、気づいてたなら言ってよー」

絵里には気づかれてたんだ。なんだ、一人で抱え込まずに言っちゃえば良かった。

「…今は？久しぶりに会って、もう何も思わないの？」

「だって、真人くんいるし…。
あ、そうだ。私プロポーズ予告されたんだよ、この前」

「え…」

「今北山くんと関わってる仕事が終わるまで忙しいから、それが終ったら改めてしてくれるんだって。

…真人くんいい人だし、このまま結婚するのかなって思ってたから。
ついに結婚かぁ…まだ実感湧かないけど」

そしたは、絵里は少し困った顔してる。
この話したら、大騒ぎで喜ぶかと思ったけど…

「そっか。じゃあ…余計なことしちゃったのかも。ごめんね？」

「え？何が？」

「…ミツ、もうお店着く頃だと思うよ」

「え…」

途端にドキドキ早くなる鼓動。
北山くんが、来るの？今から？どうしよう…

「ミツにお願いされたの。Aに会いたいんだって、仕事じゃない時間で。

もう真人くんと結婚の話まで進んでるとは思わなかったから…ごめんね」

申し訳なさそうな絵里に何て言おうか迷ってたら、テーブル席を仕切ってたカーテンが開いた。