アマレット (ページ40)

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接待の日、いつも通り仕事を終えて、制服から着替える。
一足先に飯田店長はお店に向かってるから、一人で指定された店に向かう。

一応、行く前に真人くんにLINEをしておく。

貴方今から行ってくるね。終ったら連絡するね

さすがに、仕事中だから返事は無い。

昨日もフォローしようと思って電話したけど、微妙にケンカっぽくなっちゃった。

何となく、話してて、私が最近デートをキャンセルする時全然残念そうなのが伝わってこないってことに怒ってる？
そんな気がした。

LINEで送られてきたお店に入ると、もう店長と松岡さんはだいぶ出来上がってる。
ふたりは息が合うみたいで、北山くんは二人を少し遠巻きに眺めながらチビチビ飲んでた。

「すみません、遅れましたー…」

「あっ？あーちゃんっこっちこっち！」

ん？あーちゃん？〝朝比奈〟で、〝あーちゃん〟か？

「あーちゃん遅い！寄り道してたのかっ」

「…すいません…バイトちゃんからシフトのことで少し…」

「あーちゃん！何飲むの～」

そんなに時間も経ってないのに何故ここまで絡み酒になるまで飲んでるのよ。
北山くんを見てみると、なんか笑い堪えてる。

「…お疲れさまです。遅くなってすいません…」

「いえ、僕も今来たとこなんで…。既に、この常態の一歩手前でした」

「そうなんですか…」

「北山、飯田さんと席変わって。おじさん同士で飲むから、若いのはそっち側で飲んでろ」

松岡さんに無理矢理席を立たされて、北山くんは困ってる。
呼ばれた飯田店長と並んでお酌し合っちゃって、冷静に見るとなんか…ウケる。

「はぁ…ごめん、お邪魔」

「うん…。松岡さん、お酒弱いの？」

「うーん…飲めるんだけど、見ての通り飲まれちゃうタイプ。そっちは」

「同じく…ダメな二人が揃っちゃったね」

「だな…。
まぁ、適当に切り上げよ。こんなのに付き合ってらんねーし」

おじさん達はヘロヘロだし、私と北山くんは適当に話ながら、これって接待なの？ただの飲みじゃんって思いながら時間が過ぎていった。