アマレット (ページ23)

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俺の計画北山・side ページ23

バイトっぽい子に打ち合わせに来たと声をかけたら、タイミングの良いことにAを呼んできてくれた。
これで、Aは社員だって確定。
心の中でガッツポーズをした。

松岡さんが一生懸命自己紹介してるけど、Aは俺のことガン見してる。
でも、話しかけてはこない。
俺も、話しかけない。

本音は、「久しぶり、元気？」「最近どうなの？」って軽く話しかけたい。
でも、グッと我慢をする。

俺が全く反応を示さないからか、Aの瞳が不安気に揺れてる気がした。
でも、やっぱり我慢した。

打ち合わせはAも交えて進めて、この企画に参加してくれることになった。
これで、また繋がれるよな。

「なぁ、あの女の子と北山って知り合い？」

「…いえ。初対面ですよ」

「だよな。…何となく、お前のこと凄く見てたような気がして」

「そうでしたか？…でも、可愛いかったっすね」

「はぁぁ？…止めてくれよ、取引先の女の子に手を出すとか。シャレになんないから」

「ふふ、気をつけまーす」

大人になったAは、凄く綺麗になってた。
ほぼスッピンに近かった高校時代はあどけない可愛さだったけど、今は大人の女って感じ。
また、本屋の制服がそそるんだよなー…

ニヤけるのが抑えられなかった。

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数日後、今度は一人で打ち合わせに本屋へ向かった。
今回も対応してくれたのはAだけど、今日は俺を見ても特に動揺してなかった。

「飯田ですが、もうすぐ外から戻るかと思いますので、暫くお待ち下さい」

商談室に通されてお茶を出して、あまり俺の目を見ずに部屋から出てってしまった。

取り残されて、はぁってため息をつく。
でも、出してくれたお茶は美味しかった。
どのタイミングで声かけたら一番効果があるんだろうって考えてたら、ドアがノックされた。

「はい」

「失礼します…申し訳ありません。飯田ですが、電車が人身事故で止まってしまい、中から出られないそうです。

代わりに、私が今日の内容を伺ってもよろしいでしょうか？
それか、後程改めてこちらが恩社へ…」

「いえ、朝比奈さんにお伝えします。
じゃあ…始めてもよろしいですか？」

「はい、お願いします」

ニコって向けられた笑顔に、なんだかこっちまで照れ臭くなってしまった。