アマレット (ページ20)

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俺の計画北山・side ページ20

高校を卒業してから、大学へ進学した。
チャラチャラと遊びつつも、俺にしては玲美ちゃんとの付き合いはソコソコ長続きしてた。

だけど、環境がお互い変われば気持ちも変わる。
いつのまにか気持ちが離れて、疎遠になって別れた。

それからは大学内やバイト内、合コンとかしてちゃんと付き合ったり、一晩限りの付き合いだったり。

百貨店に就職してからは、派手に遊ぶのはやめた。
彼女はいたりいなかったり。
適当に付き合ってるつもりはないけど、仕事は忙しいし、夢中で好きになるってほどのめり込める相手もいなくて、いつも恋愛は続かない。

「何か過去にトラウマでもあるとか？」

最新の彼女とは、２週間で別れた。いや、フラれたってのかな。
同期の藤ヶ谷との繋がりで知り合った子だった。

「宏光って、付き合い出すとつまんない。
私に興味無くなってるのが伝ってきすぎてる。

だそうですけど、心当たりは？」

「あはは、アイツそんなこと言ってたんだ…」

「あはは、じゃねーだろ。お前入社して何人目だよ、彼女とダメになるの」

「んー…片手には収まらないかも。

別に良くね？二股したりDVしたりじゃないし。
だいたい、付き合う前と後で同じテンションなわけないじゃん。
そんなこと求めてくる女の方が、俺は傲慢だと思うけど」

藤ヶ谷は呆れた顔して、タバコの火をもみ消した。

「…まぁさ、何がお前をそういう思想にしたか知らないけど…

ほどほどにしておけよ。いつか痛い目あうぞ。じゃーな」

「ご忠告どーもぉ…」

仕事に戻ると、上司の松岡さんから呼ばれた。

「なぁ、うちのゴールドカード所有してるお客様対象で、何か特別なサービスをしようって話があるんだよ。

明後日打合せするから、お前も何か案出しておけ」

「…はい、わかりました」

俺が所属してるのは、広報部のお客様課。
顧客の管理をしたり、サービス向上するための企画を考えたり、外商担当のフォローしたりとか。

年間でかなりの買い物をしなきゃ配布されないゴールドカード所有者へのサービスか…何がいいんだろ。

「北山ー悪いけど、おつかいお願いして良いか？」

この広報部では、俺はまだまだ下っ端だ。
こんな風におつかいに駆り出されることもしばしば。

「駅ビルの地下に、今期間限定で九州の名店が出店してンだよ。
それ、10箱買ってきて」

うわー…めんどくせぇ。