Miel マカロン ３

143 北山先生・side ページ43

「ごめん、変な声出たわ。

えっと…なんで？いつから？」



里穂「実習が始まる２週間前に別れたんですけど、その時から…

最近ずっとつけられてたり、悪戯電話かかってきたり、夜寝る時も外から窓に光みたいなの当てられたりするんです。

もう、怖くて…」



「それ、警察とか親とか言った？あと、確実に元カレなの？」



里穂「親には心配かけたくないし、警察は事件性無いとどうせ動いてくれないし…


元カレって証拠は、正直無いです。

でも、別れる時私が一方的に突き放しちゃったから、かなり落ち込んでるって共通の友達から聞いてたし…」



「そっか…怖いよね、そんなの」



こんなに近い人がそんな目に合うのは初めてだから、何てアドバイスしてあげればいいかわからない。



里穂「…昨日も、駅までずっと追いかけられて…」



「昨日も？…そっか、ごめんね。昨日駅まで送ってあげれば良かったね。

まだ明るい時間だけど、やっぱ何があるか分かんないし」



里穂「すいません、こんな話聞いても困っちゃいますよね…。


誰かに言って、巻き込んだりするのが怖くて友達とかにも言えなかったんです。

北山先生なら聞いてくれそうな気がして…」



「ううん、そんなの気にしないで、まわりに相談しないと！何かあってからじゃ遅いんだし。


俺が出来ることはするから、何でも言ってよ」



そしたら、さっきまで俯いてたけど、少し顔を上げた。

そして、まさかのお願いをされてしまった。



里穂「…じゃあ、１つだけ、お願いしてもいいですか？」



「うん、何？」



里穂「実習が終わるまで、部活の後駅まで一緒に帰ってほしいです…」



「えっ…あー…えーっと……でも、俺すぐ帰れる日ばっかりじゃないんだけど…」



里穂「大丈夫です。私も、日報とか家で書いてたものを北山先生のこと待ちながら書きます！」



「んー…でも…」



どうしよう。この展開は…でも、俺が突っぱねて万が一のことがあったらって思うと…。

Aなら、話せばわかってくれるよな。
同じ女の子なんだし、ストーカーとか他人事じゃないし。



だから、俺はやめればいいのに、言ってしまった。



「わかった、いいよ」



って。

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