Miel マカロン ３

129 北山先生・side ページ29

春って結構忙しい。
教師は特に取り巻く環境が変わるから、それに慣れつつ普段の業務もきっちりこなさなきゃいけない。



気候も良くなったから土日は部活が盛んになるし、平日も何だかんだで忙しくて全然Aにかまってあげられなかったり…



それでも、目の届くとこにはいるから、それはやっぱり安心する。
時々コーヒー持ってきてくれたり、お菓子くれたり。そんな小さなことでも癒されたりするよな。




藤ヶ谷「北山先生、これ、実習生のお知らせな。先生のクラスに入るからちゃんと読めよー」



藤ヶ谷からピラってプリント渡された。



あ、そーか。２年の担任になると教育実習生が付くんだった。
３年前に卒業した子かぁ。

女の子で、現代国語を担当する。名前見たけど、さすがに覚えてないな。顔見れば分かるのかな。




その日は久しぶりにAが家で待っててくれて、夕飯食べてからその話をした。



貴方「へー凄いね！教え子が教育実習に来るなんて、感動しちゃわない？

てか、覚えてないの〜？みっくんらしいね」



俺にもたれながら、ヨーグルト食べてる。
つーかさ、Aちょっと太ったよな？いや、去年の夏痩せたのを冬で取り返して元に戻っただけ…？



貴方「ん？なに？」



俺の視線に気づいたのか、怪訝そうに尋ねられた。




「いや…また、マネージャーする？１学期とか」



貴方「え？もういるじゃん。結構頑張ってるって…辞めちゃうの？」



「いや、まだその話は無いけど、あの子達３年だからさ…」




貴方「えー…どうしよっかなぁ…」




まだヨーグルトぱくついてるから、何か可愛くてからかっちゃお。
プニって横腹掴んだら、びっくりした顔してバって顔を上げた。



「でも、ここ落としたいんじゃない？」



貴方「…みっくん、最低！遠回しに痩せろってこと？去年痩せた分戻っただけだもん」



「あはは、ごめんごめん。別に気にならないからぁ」




背を向けたAのこと後ろから抱き締めるけど、もちろんそんなんでは機嫌は直らず…



貴方「痩せるまで、しないから！」



なーんて怒られちゃった。我ながらミスったなと。



「ごめんってAちゃーん。怒るなよぉ。可愛いって」




貴方「ううん、小太りでごめんなさいっ」



ほんと、全然太ってるってわけじゃないんだけどな。
口は災いの元ってか。

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