Miel マカロン ３

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出たはいいけど、特に行くアテも無い。
変に二人になって噂になるのも嫌だし、どうしよう…

結局、行き着く先は屋上。



「ごめんね、こんな寒いとこで」



二階堂「んーん、この前北山先生にもここ連れてこられた。


二人、ここでデートしてるんでしょ！やらしー」



「してない！もーっ…からかいたいだけなら、戻るよ！」



二階堂「ごめんごめん、つい久しぶりだからテンション上がっちゃって。


この前さ、合格したらって言おうと思ってたことあったんだよね」



「うん…何？」



二階堂「合格したら、卒業式終わってから10分でいいから俺に時間ちょーだい？」



「え…10分なら、今からでも…」



二階堂「ううん。在校生として、じゃなくて一人の18才としての時間でいたいの！」




「…わかった。覚えておくね」



二階堂「うん、お願いね」



その後は、久しぶりにまともに話すから、試験終わってからどう過ごしてたとか、卒業旅行とかするの？とか話してた。

そしたらあっという間に時間は過ぎてって、昼からの授業の予鈴が鳴った。



二階堂「あ…戻らなきゃだね」



「うん。合格したからって、授業寝ちゃダメだからね！」



二階堂「へへ、Aちゃんのくせに先生みたいじゃん」



「くせにって…失礼だなぁ。

…あ、ちょっと待って！」



最近、喉の調子が良くないからいつもポケットに入れてるのど飴。

１つ、二階堂くんに差し出した。怪訝な顔して、首をかしげられる。



「はい、ごめんね、こんなのしかないや」



二階堂「…何？俺風邪引いてないけど…」



「じゃなくて、ハッピーバレンタイン！」



私の言葉に、二階堂くんは「あっ！！」って。



二階堂「なんだよ、のど飴かよぉ〜」



「ごめんごめん。いきなりだったから何も無かったんだもん」



二階堂「ま、いーけど！ありがと！

…でもさ、こんなんさ…」



笑顔の中に、少し寂しげな感じ。



二階堂「…何でもない。ありがとね、Aちゃん」



「よし、じゃあ、授業いってらっしゃい！」



振り返らずに、今度は手を振ってバイバイだけした。

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