lucky color

45 北山・side ページ45

さっきの発言を撤回したくて、何となく謝った。
俺の悪い癖で、主語言わずに何かを言って、察してもらえなければ笑って流してしまう。
今回もそう。
高橋には何についてゴメンなのか伝わらず、俺も、まいっかと思い流そうとした。


高橋だって、いつも『変なのー』とか言って終わってくれる。
今日もそうなるとばっかり思ってた。


でも、違った。
辛そうな、泣きそうな顔。



貴方「必要以上に、近づかない関係だよ」



少し前の俺らの関係に戻りたいと言われてしまった。
何でだよ。何で、そーなるわけ？



「何で？ちょっと落ち着けよ」



貴方「充分落ち着いてる。…北山くんと一緒にいると、苦しいんだもん」



「何だよ、それ…」



貴方「分からないならいい。とにかく、やっぱり北山くんとは前の近づかない関係に戻る！

ぜったい、絶対だからね？じゃーね、おやすみ！」



最後の方は、なんか子供みたいにムキになって…何だよ。
そんな可愛いとこ見せんなよ。俺の決心鈍るじゃん。



だーって地下鉄への階段降りてっちゃって、一人残されてしまった。
さっきの高橋の言葉の意味を考えながら、２軒めに行く気になれずゆっくりと店まで歩く。



俺は、『高橋は無理だ』なんて言ってごめんって言いたかった。
やっぱ、失礼だよなって思って。
さっきの高橋の言葉の意味は…自惚れていいのか？



あーわかんねぇ。だから、同じコミュニティーって嫌なんだよ。
はぁ、と大きくため息をつくと、LINEが届いた。



日奈『まーだー？迎えに行こうかぁ？』



はぁ。２度めのため息。
はいはい、行きますよ。



ゆっくり落ち込ませてもくれないわけね。



乗らない気分を奮い立たせて、みんながいるお店に向かった。

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