lucky color

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「梨沙子さんは？彼氏とどーなんですか？」



梨沙子さんの彼氏は有名ヘアサロンのオーナーさん。
かっ子よくて、背が高くて、年上で、時々美容雑誌に載ったりもしてる。



梨沙子「仲良くはやってるけどさ、やっぱモデルさんとかとの交流もあるから常に心配ではあるよ。

こっちは雑誌の中だけの人なのに、彼は現実に会ってヘアメイクしてあげたりするんだもん。

ルックスでは絶対叶わないから、他で頑張るしかないよね」



「他って…？」



梨沙子「古いし定番だけど…胃袋！」



「確かに！梨沙子さんのおつまみ美味しゅうござぃます」



梨沙子「の割りに、今日全然食べてなくない？味付け失敗したかなーって実は思ってたんだけど」



私が帰って着替えたり何やらしてる間に、梨沙子さんは簡単におつまみを作ってくれてた。
申し訳無いことにお腹いっぱいであまり食べれず…。



「ううん、違う！ランチにビュッフェ行ったから、お腹いっぱいなんです！」



梨沙子「ビュッフェ行ったの？さっきの子と？」



「はい。イタリアンです」



梨沙子「へー…ビュッフェ行けるなら、ほんとにお友だちなんだねぇ、お互いに」



ちょっとグサッと来た。
そっか、食べ放題なんてまさかの好きな子だったら行かないよね…。



梨沙子「あれ、傷ついた感じ？ごめんごめん」




「いや、安心した感じです」




梨沙子「ふーん？…分かんないや、お姉さんにはその複雑な関係性」




「私もわかりません」



梨沙子は新しくワインを開けてて、私のグラスに注ぎながら言った。




梨沙子「ねぇ、Aちゃん。いつか万が一好きになっちゃったらどうする？」




グラスに溜まっていくワインを見つめながら、この前サラッと聞き流した由夏さんの言葉を思い出す。



『同期の子なんて、面倒くさいから手出さない』



そんなようなこと言ってた。




私は面倒くさい同期だから、北山くんから好かれることはないはず。




「どうしましょうね…。

そうならないように、努力惜しまないでいます」




私、上手く笑えたかな…。

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