lucky color

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大学入学して、すぐ意気投合して、お互い好意を持って付き合い出したこと。

ずっと仲良しで順調に付き合い続けてて、彼女のルックスも手伝って、学内では割りと有名なカップルだったこと。

大学３年の秋、彼女が年上の社会人に突然心変わりして北山くんはあっさりフラれたこと。

少しくらい兆候があってもいいのに全然気づかなくて、正に青天の霹靂だったこと。

それ以降、裏切られるのが怖くなって彼女を作らなくなったこと。



私を含め、みんなが思い描くチャラくて軽くて元気な北山像は、北山くんが努力して作り上げた姿なんだって知った。



同時に、あのベランダから夜景を見た時に何とも言えない寂しそうな、陰の雰囲気を感じた理由も分かった。



きっと、あの夜景を冴子って子と何度も見たんだ。



切なくて、苦しくて、何だか感情移入して…
気づかない内に私が涙をこぼした。
それを見た北山くんが困ったみたいに笑った。



北山「ちょっと…高橋が何で泣くんだよ」



「だって…何かちょっと感情移入…」



北山「俺んちのベランダでさ…初めて冴子がうちに来たとき、告白して付き合い出したんだよね。

一応俺にとっては思い出深い場所だったから、あいつと別れてからはあのベランダはほとんど洗濯干す以外は出てなかった。

あの日、高橋と見たのが久しぶりでさ、二年くらいしか経ってないのに少し景色変わったよなーって思って懐かしくなった」



「ごめんね、思い出の場所に私なんかが踏みこんで…っ」



泣きながらだから上手く話せない。



でも、北山くんは今度は優しく笑った。



北山「…ちょっと、ごめん」



そっと北山くんの指が伸びてきて、私の頬に伝ってた涙を拭った。



「久しぶりにベランダに連れ出してくれたことに感謝してる。ありがとな。

さっきも、いきなり変なこと言った俺に付き合ってくれてありがと。

…高橋の言葉借りるみたいだけどさ…」



涙を拭った指が、そのまま頬に触れた。



北山「…好きになりそうだわ。…高橋といると…」



言われた言葉の意味を理解するのに、時間がかかったことは言うまでもない。

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