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女の人の声で北山くんを呼ぶ声がして、二人で見る。
そこには綺麗な同じ年くらいの子が立っていた。北山くんの顔が強ばったのを見逃さない。
北山「冴子…」
冴子「久しぶり。元気だった?」
北山「まぁ…普通かな。そっちは?」
冴子「私も普通かな」
ただの友達って雰囲気じゃないことくらい、私だって感じる。
だから下手に口を挟んじゃいけない気がして、黙って二人を少し離れて交互に見ていた。
冴子「あのさ…」
何か言おうとしたのを遮って、北山くんは私の右手を突然握ったてきた。
北山「あ、の…彼女なんだ」
「えっ…」
出たか出なかったか自分でも分からないくらい小さい声が思わず漏れる。
冴子「あ…そーなんだ…。ごめん、声かけて」
北山「いーよ別に。今は何でも無いんだし。
あの彼氏とはまだ続いてるの?」
冴子「あー…うん、別れちゃった」
北山「そっか…。まぁ、すぐ冴子ならイイ男現れるっしょ。大丈夫」
冴子「そーだね、そう思う。
…ごめんね、デート邪魔しちゃって」
北山「いや、大丈夫。用事あるから行くな」
冴子「うん、引き留めてごめんね」
淡々とした二人の会話が流れて、その間ずっと繋がれてる右手。
どーしよう。どーしようって考えて、でもそれ以上に思ったことは、冴子って子が北山くんに何かすごく言いた気だったこと。
無言で手を引かれてどんどん歩いていく北山くんに声がかけれなくて、しばらくそのまま手を繋いで歩き進んだ。
どれくらい歩いたのかな。
大通りから少し脇道に入ったところで、北山くんの足が止まった。
それと同時に解放される右手。
北山「ごめん、いきなり。びっくりしたよな」
「うん…。びっくりした」
北山「あー…まじ情けない。ほんとにゴメンな?彼女とか言って。
よく、否定しなかったじゃん」
「びっくりし過ぎて反応できなかっただけ!」
北山「そっか…でも、ありがと。何か、良かったわ、高橋が今日いてくれて」
「…あの人、北山くんの元カノさん?何か言いたそうだったけど、良かったの?」
北山「俺は、あいつとは話すこと特に無いから。…だから、あんま会いたくなかった」
それからバッティングセンターへ行くまでの道のりで、北山くんはさっきの元カノさんとの話を聞かせてくれた。
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さくらんぼ(プロフ) - えりんぎさん» えりんぎさん、コメントありがとうございます♪今久しぶりに読み返して、もどかしい。。。笑となりました。楽しんで貰えて嬉しいです(о^∇^о)1年前の作品なのに、なんだか懐かしくてほっこりです♪ (2017年1月21日 17時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ(プロフ) - その後の北山君のシーン見ちゃうとなんか切ないです・・・笑 あ〜日奈ちゃん・・・って笑 (2017年1月21日 13時) (レス) id: 424e396b6c (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ(プロフ) - こんにちは!! みっくんファンのえりんぎです♪lucky colorとってもおもしろくて一気に読んじゃいました!! このもどかしい関係・・・ どうなるのかとっても楽しみです!! でも主人公ちゃん、「同期なんかめんどくさい!!」って言っちゃうなんて・・・笑 (2017年1月21日 13時) (レス) id: 424e396b6c (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 由貴さん» コメントありがとうございます!part2に続いてますので、是非読んで貰えると嬉しいです♪ (2016年1月14日 17時) (レス) id: 5b67c43cb7 (このIDを非表示/違反報告)
由貴(プロフ) - こんばんは!!凄く良いですね!!続きが気になります!! (2016年1月13日 22時) (レス) id: bf39404b50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくら | 作成日時:2015年12月27日 16時