lucky color

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出会いは、また冬の寒さが残るあの日。



みんな、会社の同期。
内定者懇談会には、知らない顔ばかり。




みんな同じくらいの年で、みんな似たようなカッチリと無難なスーツを着こなしてて、まだ初日だからぎこちなくて。




でも、私には一際輝いて見えた人がいた。




黒目が大きくて、フワッと決めすぎないヘアスタイル。
近くの席になった同期の人たちと和気あいあいと話、豪快に笑う姿。




その笑顔が、なんとまぁ可愛らしいこと。




あれから約半年経って、輝いてるのは同じなんだけど…
なんか。




なんか、イメージが違う！！！
入社して、研修を受けてく中で私の中での彼のイメージはガタガタと崩れていった。





正直あまり仲良いわけじゃないし、本質の部分のことは知らないっちゃ知らないけど。





ふと目に入ってきたのは、先輩の女社員から勝手に付けられたらしいアダ名で呼ばれ、囲まれてる彼。





超デレデレしてる(ように見える)。




なんだ、ソレ！




〜Ｋi・side〜



とりあえずの目標は、それなりに名の知れた会社に就職すること。
お陰さまで誰でも知ってる食品メーカーに就職が決まり、内定者懇談会の日を迎えた。




内定してから大学生を最高に満喫していた俺は、今日のために長めだった髪を切って、金髪に近かった色をダークブラウンに染め直した。




就活中の相棒だったスーツに久しぶりに袖を通し、イザ出陣。




その会場に、まさかこの先運命の恋なんだって思える人が存在してるなんて思わなかった。




会場にいる女の子を適当に物色して、でも面倒なイザコザが嫌だったから、会社の同期の女の子に手は出さないってはじめから決めてた。




約半年経った今も、基本的にはその考えは変わってない。




でも、最近少しだけ…
その決意が揺らぎかけていることに、俺は気づいているような、気づいてないような？





とにかく、まだまだスイッチは完全オフ。





勝手に先輩の女子社員からアダ名をを付けられ、囲まれ、誘われ…。





肝心なあの子は、俺にはあまり興味無さそうだ。

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