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駆け引き ページ42

まだ、再会して間もないのに。
まだ、アレもコレもと求めちゃダメなのに。
また、二人で会えるまでになったことだけで充分贅沢なのに、


もっと欲がでる。自分で一人で帰ると言い張ったくせに、いざとなるとどうしても寂しくて、物足りなくて、酔いに任せて帰ろうとしたみっくんに抱きついた。



驚いて固まってるみっくんを無視して、そっと触れるだけのキスをした。
すぐ離して、恥ずかしくなって逃げようとしたのに、簡単に捕まる。



チラッと顔を見ると、さっきまでと全く違う。男の人の顔になってた。
コンコース脇の奥まった壁に追いやられた。



北「ヤリ逃げ?」



「ごめんなさい…」



まさか、こんなに怒るなんて思わなかった。



申し訳ないのと、恥ずかしいので涙が溢れてくる。



零れた涙を、みっくんが優しく指で拭った。



…あれ、怒ってるわけじゃない…?




そう思って顔を見上げた瞬間、みっくんからキスをしてきた。



全然優しくない。




貪るみたいな、噛みつくみたいなキス。



一瞬の隙も逃さず、熱い舌が入ってきて私の舌を絡めとる。



何度も角度変えて重ねられる唇にクラクラしてきた…。



さすがにみっくんも苦しくなって来たのか、唇を離した。



北「Aちゃん、ズルい…。俺が、こんなに我慢してんのに…」



北「…せっかく、絶対自分から手出さないって決めてきたのに…」



痛いくらい抱き締められて、耳元で呟かれて、心臓が壊れるんじゃないかってくらいドキドキしてる。



北「…ごめん。おやすみ」




急に解放された。
みっくんは振り返らずに早足で去っていく。



いきなりすぎて拍子抜けして、体に力が入らない。



「心臓止まるかと思って…」



しばらく、その場から動けなかった。

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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時

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