嫉妬 Ki ページ28
〜Ki・side〜
二次会のお誘いのために会いに来てくれたのは嬉しい。小躍りしたいくらい。
でも、気になることがある。
「…ねぇ、さっき大倉と何してたの?」
あ「…大倉って…さっきの背が高くてかっこいい人だよね?」
「…」
背が高くて、かっこいい…。
喧嘩売ってンの?
あからさまにムスっとしてしまった俺に、Aちゃんは少し困った顔になった。
あ「え?何…?」
「…別に…」
あ「何で…そんな顔するの?」
「元からこーゆう顔だし」
もう、何言ってんだよ俺。
喧嘩したいわけじゃないのに。険悪にもなりたくない。
なのに大倉の事誉めたAちゃんにイライラする。
あ「…もういい。帰るね。出欠分かったら連絡して」
えっ!?まじで?帰っちゃうの?
慌てて引き止める。
「ちょ…ちょっと待って!ごめん、何か…ごめん」
あ「…ごめん。いきなり来たから怒ってるんでしょ?
久しぶりに会ったばっかりなのに馴れ馴れし過ぎてって」
「いや、そんなんじゃないって!
来てくれたのは嬉しいから…ただ…」
「ただ?」
言うの?あんなカッコ悪いこと。
でも…
「…Aちゃんが、大倉の事背が高くてカッコいいなんて言うから…」
俺の言葉に、Aちゃんが固まる。で、だんだん顔が赤くなってきた。
あ「それで、怒ったの…?」
「…はい」
あ「ふふ…もー…怒らないで、そんなこと〜」
クスクス笑うAちゃん。それ見てホッとした。
「もーそんなに笑うなよ!
とにかく、金輪際俺の前で他の男のこと誉めるの禁止!」
あ「はいはい」
はぁ、まじカッコ悪…。
でも、淀んだ空気が解消されたから、それは良かったかな。
「帰る?送ってく」
あ「…うん、ありがとう」
今度はニコっと笑ってくれた。
…何か、この寸前の感じも悪くないよな。
俺の勘違いじゃなければ、多分二人とも同じ方向見てるはず。
俺からは言わない。たまには、言われたいもん。
『貴女のことが好き』って。
まぁ、我慢できたらだけどね。
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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時