ｉｆ… (ページ23)

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帰したくなくいＫi ページ23

～Ｋi・side～

今、何か勘づいて遮った？
また、ヨリ戻したいって言葉を飲み込んだ。

あ「明日、外回り同行だから早く行って準備しなきゃ！」

一人で帰れるって言うAちゃんだけど、絶対そんなことさせたくなくて、駄々こねてるみたいだけど粘り勝ちで送らせて頂くことになった。

「俺、毎年あの桜見に行ってたよ？」

あ「私は３年ぶりかな。人もいないし、結構穴場だよね。まさかみっくんに会えるとは思わなかったけど」

「俺も。また、こんな風になれるなんて思わなかった」

三軒茶屋に着いて、Aちゃんの家まで歩く。
俺の言葉に、Aちゃんの足が止まった。

あ「…ここでいい。もうすぐだから…」

「え？家まで送るよ。危ないじゃん」

あ「危なくないよ、いつも通ってる道だし」

押し問答。らちあかないな…。

「もー言うこと聞けよ！」

焦れったくて、腕を引っ張って抱き締めた。

「…ごめん。もう少しだけ一緒にいたい…」

あ「…うん…」

「…香水変えた？」

あ「うん、変えた。色々、変えたよ。みっくんのこと思い出したくなくて」

「Aちゃん…ホント、ごめんね…。」

久しぶりのこの感触に、今までずっと抑え込んでた感情が爆発しそうになる。

やっぱり俺、まだAちゃんのこと好きだ。帰したくない。また、俺だけのものにしたい。
でも、それって今は伝えられない。

そっと体を離して、Aちゃんの目を見た。

あ「あの…友達って、こーゆうことするの？」

「え？」

あ「友達でも、ぎゅってしてくれるの？」

「…嫌じゃない？」

あ「…うん。嫌じゃない」

やば。衝撃的に相変わらず小悪魔。
こんなこと言われてこれで終われるほど、聞き分けのいい男になれない。

「…目、閉じて？」

あ「え？」

返事を待たず、唇奪いにいった。けど、さすがにストップされちゃった。

あ「ちょっ…それは、ダメ」

真っ赤な顔して、犬にするみたいな待て、のポーズ。そんなの聞けるかよ。
その手も押さえてもう一度…

ばちんっ

「いった…」

ほっぺ叩かれた。さすがに俺も我に返る。

あ「チャラミツ！早すぎるの！何でもかんでも！」

そう言い残して走り去ってしまった。

「…全然、脈あるじゃん…」

Aちゃんの数々の反応思い出して、ニヤけるのが抑えられなかった。