無理がある Ki ページ19
〜Ki・side〜
フったのはそっちなのに、泣くなんて卑怯だ。
女の子の涙なんて信用しない。
ずっとそう決めてたのに、何でAちゃんには甘くなっちゃうんだろう。
それってどんな意味がある?
後悔?自己嫌悪?それとも…俺と同じ気持ちでいてくれてる?
俺は…また戻りたいに決まってる。
またLINEをしていいか聞いたとき、私もするねってお返事が来たから、正直少し期待してた。
同じこと思ってくれてるんじゃないかって。
きっかけさえあれば、戻れるかもって。
でも、今涙を拭わせてくれなかったことで一気に自信がなくなる。
あ「ごめん…こんなの、変だよね。何でかな、これ。気にしないで…」
拭っても、拭っても止まらない涙。
あーっもう。くそ。可愛いな、相変わらず。
「…Aちゃん、今幸せ?」
あ「普通だよ…。良くもないし、悪くもないし」
「なにそれ、どんな日々送ってたの?」
あ「…ぐれー」
「え?」
あ「ピンぼけ」
「ぷっ…そっか、大体分かった」
素直じゃないAちゃんからの、精一杯のアピールか。
今、相手がいないことはなんとなく悟った。
あ「みっくんは?幸せ?」
「え?…っと…。普通に、我慢大会」
色んな意味で。
あ「はい?」
キョトンとするAちゃん。意味、伝わらないみたい。
いや、普通伝わらないか。
一か八か、久しぶりに勝負かけてみてみようかな?
「あのさ…また、友達になれない?俺ら」
あ「友達?」
「うん。友達なら、いいでしょ」
あ「いいけど…なれるかな。友達なんて」
よしっ!第一段階クリア。
「なれるでしょ?そんなに深く考えないで」
あ「…うん、そうだね」
やっと見たかった笑顔が見れた。
こーなればイケイケゴーゴー俺ゴーゴーだ!
言っとくけど、3年妄想の中で片想いし続けた俺の気持ち半端ないからね?
絶対にまた振り向かせて見せる。
「ね、夜暇?ご飯行かない?」
あ「え…いや、でもいきなり…」
「いいじゃん、友達からいきなり誘われることもあるでしょ?」
あ「…うん…。わかった…。あ、一回帰っていい?家片付けてから行きたいな」
「うん、いいよ。じゃー…」
Aちゃんの都合のいい場所聞いて、待ち合わせ時間決めて、またねってその場で別れた。
さて。自分から言い出したのになんだけも、友達になるなんて…出来るのか?
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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時