ｉｆ… (ページ17)

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満開の桜の下でＫi ページ17

～Ｋi・side～

４月に入った。あちこちで桜が満開になり、暖かい陽射しが降り注ぐ。
この陽気に誘われて、俺は家を出た。

目的地は、前にAちゃんと二人で見た大きな桜の木。
ここの写真撮ってないから。ここを撮ったら、今まで撮り貯めた写真送ろう。
さすがに多すぎるから、全部は送らないけどね。

３年前まで毎日のように使っていた駅に着くと、懐かしい景色が広がった。

自然と、スポーツジムへ足が行く。今日はレッスンしてるかな？覗いてみると、やってない。

「あ、今日日曜か…」

フットサルは日曜休みだったもんな。
そのまま、Aちゃんのマンションへ自然と、進んでいた。

でも、この駅についてから考えてたことがある。
もし、偶然でもAちゃんに遭遇したらどうしよう。
会いたいっていつも思ってるけど、まだ心の準備は出来てない。

そうこうしていたらマンションに着いてしまった。

「…あれ？あの部屋だったよな？」

ベランダを見上げると、数組の布団が干されてるし、洗濯物もなんとなくファミリーっぽさが出てる。
ご両親帰ってきたのかな？

あまり深く考えず、通りすぎた。

「うわ…すげー…」

目的地到着。目の前には凄く大きくて、立派な満開の桜の木。

近くに結構有名な花見スポットがあるからか、ここには人が集まらないみたいだ。
日曜だというのに、誰もいない。

「みんなここに来ないなんてもったいないなー…」

木の近くにあるベンチに座ろうと思い、反対側へ回ると、思わず息を飲んだ。

先客が、既にいたから。

しかも…

Aちゃんだった。