理解者 ページ16
仕事が終わって少し駅前のお店を見ていたら、健永から連絡が入った。
指定されたお店に行くと、もう健永が待ってる。
健「A!こっち。待たせてごめんな」
「ううん、大丈夫。あーでも外寒いーさむさむ!もうちょっとで4月なのに」
健「だな。まだまだ寒いわ。何飲む?」
「んーシャンディガフ!」
健「おぉ、ビールじゃないんだな。さすが都心のOLは洒落たもん飲むね」
「洒落てるの?シャンディガフって」
元カレだからかな。あまり気遣いしなくていいし、すごく楽。
酔いも手伝って、私は健永に質問されるがままベラベラと自分の現状についてしゃべってしまった。
健「そっかー。それでずーっと輝きを失ってたってこと?」
「えっ!?何それ」
健「就職する前に偶然銀座ら辺で会ったじゃん。あの時、正直ちょっとだけ別れたの後悔したんだよねー…
でも、4月になって営業行った時のAは何か別人って感じ。
で、数年浮き沈みがあって、ここ数日でやっと持ち直した感じ?」
「…私、そんな風に見えるんだね…。実は、先輩にも似たようなこと言われて。
顔に出してないつもりなんだけど、結構出るもんなんだね」
健「…でさ、今の話聞いて俺の意見言っていい?」
「…どーぞ。お手柔らかに」
健「…んー…。お前さ、バカじゃねーの?」
えっ!バカ呼ばわり!!
…まぁ、否定しないけど…。この件に関しては、ね。
健「そりゃあ仕事変わっていきなり一人暮らしになって、色々ストレスも多いんだから彼女にこと疎かになっても仕方ないじゃん。
Aだって、就職して何ヵ月か俺の事ほったらかしだったじゃん。
その期間、Aも彼氏のことほっとけば良かったんだよ」
「…はい…」
健「誕生日もバレンタインもスルーされたくらいなんだっつーの。
で、勝手に別れること決めて、傷付いて、他の人で穴埋めしよーとして、ダメで…
まぁ、救いよう無いな!」
「…だって…あの時、絶対に私の存在って邪魔なんだって思ったんだもん!
せっかく夢だった仕事就けたのにって…」
健「…多分、誰もハッキリ言わないから俺が言ってやる。その彼の件については、やっぱりAがバカなことした!お前が悪い!謝ってこい」
「…謝る…?」
健「会いたいんだろ?それなら、謝るの口実にして会いに行ってこい!」
健永は厳しいけど、みんなが遠慮してはっきり言わなかったことを言ってくれた。
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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時