今回こそは ページ7
ゆっくり唇が離される。
今まで散々元カレが好きだ、その後の人とは何も出来ないって言ってたくせに嫌がらなかった私を不思議そうに見つめた。
『…ヤじゃ、ないんだ』
「…いきなり過ぎただけ。予告があれば避けてる…」
『ぶっ…。何それ(笑)。今からキスしますって宣言する奴いるの?』
「…いないけど!!!」
『…俺さ、高校の時からAのこと結構好きだったりするんだよね。
久しぶりのチュー記念で、付き合わない?俺ら』
「…聞いてた?私の話…」
『聞いてたよ。Aは多分、構えすぎ。あと、頭でその彼の事がまだ好きなのにって思い込みすぎ。
思い込んでるだけで、ほんとはそんなこと無いかもよ?』
…確かに、一理あるのかも。
考え込んでると、今度はギュッと抱き締めてきた。
「ちょっと…っ」
『これは?やだ?』
「…ヤだ…」
『じゃあ、振りほどけば?』
「…そこまでするほどヤじゃない…」
『ん、じゃー決定。俺が、Aの元カレ忘れさせてあげる』
その彼は慶太。同じ高校で、3年間同じクラスで仲も良かった。
慶太は当時ずっとクラス違うけど彼女もいたし、私も他に好きな人がいたからお互い眼中に無い存在…だったと思ってた。
慶「でも俺、彼女はいたけど、クラスの女子の中ではダントツでAだったよ?
今度他の奴に聞いてみて。多分それに気づいてないのAだけだったから。
彼女も、それ知ってて結構嫉妬凄かったんだけど?」
当時を思い出す。…あぁ、そーいえば確かに彼女ちょっと怖かったなぁ…。
今までの3人とは、確かに慶太とは少し違った。友達期間が長かったからか気も許せるし、本音も出せる。
みっくんのこと思い出す時間も減ってきた。
…でも。やっぱりダメだ…。
キス以上のことに進もうとすると、ダメ。
慶太のこと好きになれたような気がしてたのに、どうしてもダメだった。
それを数回繰り返す内に、慶太からも愛想を尽かされた。
もしかしたら?って少しだけど思ってた分、落ち込みも凄かった…。
で、もう軽々しく誰かと付き合うのは止めようってやっと気づいた。
私はまだまだみっくんのこと大好きだから、仕方ないって。
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作者名:さくら | 作成日時:2015年11月4日 21時