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谷「行かなくては…」


『え、もう動くの?動けるの?強靭すぎないかい?』


谷「平気だ…」


嘘つけ!!!!!!めっちゃ辛そうだけど!?


『ま、肩貸すよ』


____
__
_



谷「コレヨリノチノ

ヨニウマレ

ヨイオトキケ」



私たちが杉元達のところに着く頃には
二瓶鉄造は亡くなっていた。


『アシリパちゃん怪我とかしてない?大丈夫?』


アシ「問題ない!」


白「マジでこいつら連れて行くの?」


アシ「死にかけているのに置いてはいけない

アイヌ犬もほっとけばいつまでもあそこにいる」


白「疲れた〜杉元が追いつくまで俺はここで休むぜ」


『情けないな白石』


白「クーン…」



___
__
_


アシ「白樺の幹に穴を開けると
タッニ・ワッカがでてくる

春が近いと芽吹く準備のために
たくさん水を蓄えるからだ

これで傷を洗う
タッニ・ワッカは
痛み止めと止血の効果がある

あとは乾燥した松脂を火であぶり
やわらかくして傷口に塗る
止血と化膿に効果がある

ひとまずこれでいいだろう…
朝になったらここを出るぞ」


『アシリパちゃんは物知りだねぇ』


アシ「全部アチャに教えてもらった」


『アチャ?』


杉「父親のことだ」


『へぇ、アチャ…ね』


アシリパちゃんは
本当にのっぺら坊の娘さんなんだなぁ
ちょっとワタワタしてたからじっくり
顔を見られなかったけど、のっぺら坊と同じ
綺麗な瞳の色をしている


白「本当にこいつを自分の村に連れて
行くつもりなのか?」


アシ「村ならほかにもいろんな薬があるし
温かいチセの中にいたほうがいい」


白「こいつ第七師団だろ?治ったら仲間に
俺たちのことを話すかも…」


『第七…師団…だと…』


こいつ顔やば師団のヤツだったのか…
通りでイカツイ顔だと…


白「?Aちゃんどうかした…?」


『イヤ…別に…なにも…』


白「そう?」


谷「置いていけ…
俺は猟師だ死ぬときは俺も山で死ぬ」


白「ホラ!本人もこういってることだし
置いていこうぜ」


杉「谷垣…といったな?
お前二瓶鉄造が入れ墨の囚人と知ってて
行動してたのか?


まぁ…俺の相棒がこの男を助けたいと
いうなら邪魔しねーさ

もしそれが裏目に出るようであれば
今度は俺が相手をするまでだ」

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作者名:こあ | 作成日時:2020年10月1日 5時

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