ノエルにつくメイドは･･･season１＆season2【被虐のノエル】

73話 ページ30

貴方 ｢お嬢様、お時間です。｣

ノエル｢ん･･･｣

　 ノエルお嬢様は上体を起こした

ノエル｢時間･･･ですのね。｣

貴方 ｢ええ、行きましょう。｣

　 そう自分は言った

ノエル｢A｣

貴方 ｢？どうかしましたか？｣

ノエル｢いいえ、ただ･･･｣

貴方 ｢？｣

　 お嬢様は顔を私のほうを向いてこう言った

ノエル｢――――ただ、あなたのこのやりとりも･･･少し懐かしいなと、思いましたの。｣

貴方 ｢！｣

　 言われてみれば･･･そうだなと、私の中ではそう思っていた

貴方 ｢ええ･･･気づけばあれから少し経っているんですよね･･･｣

ノエル｢ええ、本当に少しだけ、懐かしいですわ･･･｣

貴方 ｢そう、ですね･･･｣

　 なぜだろう･･･

　 少しだけ、切ないな･･･と感じてしまった

ノエル｢おかしな話になってしまいましたわね。行きましょう。｣

貴方 ｢･･･はい。｣

　 私とノエルお嬢様はカロンと合流した

カロン「･･･きたか」

ノエル「ええ、行きましょう。」

カロン「ああ、しかし、お前･･･あれだけ危険な目にあっておいて、よく怖くないな？」

ノエル「･･･誰も怖くないとは言っていませんわ。でも、今はそれ以上に不思議な気持ちですもの。」

貴方 「不思議･･･ですか。」

ノエル「ええ･･･シビラへの復讐心が静かに高ぶっているような･･･冷静に燃えあがっているような･･･」

カロン「･･･ふん、そうか。感情が暴走してるわけじゃないならそれでいい。シビラはお前にとってとくに、直接のかたきだろうからな。ヤツとの決着はひとつの大きな節目になるだろう。」

貴方 「･･･でも、シビラを倒して終わり･･･というわけではありませんよね。」

カロン「ああ、ヤツを倒しても、お前の平穏も夢も、戻らない。そこは、はき違えるなよ。」

ノエル「･･･わかってますわ。でも、だからといって慎重にはなりませんわ。この戦いは･･･わたくしの手で決着させなければならない。誰に代わってもらうこともなく、わたくし自身の手で･･･！」


　 ーアクエリアス本社 前ー

ノエル「･･･見た目は先日と変わらないですわね。」

カロン「表面上はただの企業なんだ、変えようがない。もっとも、なかは確実に警備だらけだろうらな。」

貴方 「警備だらけ、ですか･･･」

　 ･･･これは楽に行きませんよね･･･

カロン「･･･また別の入り口でも探すか？」

ノエル「いえ、やめておきましょう。また海底迷宮に落とされでもしたらたまりませんわ。」

74話→←ユキ松の雑談会　72話についても語っております。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す