第25話 ページ25
『びっくり。エリザに妹が居たなんて』
「そんなに驚くことかしら？」
『お姉ちゃん気質あるけど、そう見せかけて一人っ子かな〜って思ってたの』
「何よそう見せかけてって。ふふっ」
頭の包帯は取れないものの、すっかり元気そうな表情のエリザに車椅子を押してもらっているアリスは笑いながら振り向いた。
学食へ行く途中、エリザに｢車椅子の妹がいるの｣と打ち明けられたことから始まった話題は、お互いの下のきょうだいが同級生である事、しかも同じ学校のクラスメイトだという事を2人に知らせる事となる。
「アタシだって、アリスに弟くんがいたの驚いたわよ。クリスくんだっけ？」
『うん。エリザの妹ちゃんもとびきり可愛いんだろうなぁ』
「全然！口だけ達者で生意気だし」
『え〜、1度会ってみたいわ』
「なら、今度4人で遊びに行きましょうよ」
エリザの誘いにアリスは表情を明るくさせる。大人びた彼女のたまに見せる、齢15の年相応のへにゃりとした純粋な笑顔を見た時、エリザは嬉しくなるのだった。
そんな2人の前に、人影が立ちはだかった。
「茶髪に金髪……。君達だね？先日、あのビルから救出されたと言う女性2人組は」
「……誰ですか、貴方」
メモを手にし笑顔を浮かべる中年の男。首から下げられたカメラを見る限り、マスコミか何かだろうか。アリス達は警戒心を強めるが、男は気にせず胸ポケットをまさぐると1枚の写真を取り出した。
「失礼、私は一端の記者でね。君達にコイツについて聞きたいんだ」
写真には顰め面のナックルズが映っていた。見切れてはいるがエミーもいる。しかし何も知らないエリザは首を傾げていた。しかしアリスだけは目を見開く。その表情の揺れ動きを、記者は持ち前の観察眼で見逃さなかった。
「知っているようだね」
『……勿論知ってます。彼は私達を助けてくれたんです』
「そ、そうなの？」
1人だけ会話についていけてないエリザは聞き返すが、写真をじっと見つめるアリスは答えなかった。アリスの返答を記者は鼻で笑う。
「助けた？こんな凶悪な顔をした奴が、君達を？思い違いじゃないかね。本当は崩落に巻き込まれたのでなくコイツにケガをさせられた、とか！」
『……！』
記者が嫌味たらしく捲し立て始めたのを皮切りに、アリスの剣幕が強くなる。記者がたじろぐ前に、彼女は車椅子から勢いよく立ち上がる。
『＿＿＿＿いい加減にして！！』
突然のことに素っ頓狂な顔をした記者を睨みつけて叫んだ。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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