第20話 ページ20
『それはそうと、今まで大変だったわよね。ソニックくんだけじゃなく、皆も』
「そうだね。この騒ぎじゃ満足に動けないし、見つかったらどうなる事か」
「そうそう。アタシなんか、ナックルズと一緒に地下水路進んでたのよ？臭いったらなかったわ」
『……ナックルズ？』
聞き慣れない名前に首を傾げる。もしやこの場にまだ名前を覚えきれてない子が居るのかと焦りを覚えたが、エミーはああ！と思い出したように人差し指を立てた。
「アリスには言ってなかったわね。こっちの世界に来ちゃった仲間の中に、ナックルズっていうヤツもいるのよ。ここには居ないけど」
「そう。エッグマンの襲撃の時に会えたんだけど、すぐに何処かに行っちゃってさ……」
エミーとテイルスの証言にへえ、と興味ありげに頷くアリス。その瞬間、昨日の記憶が脳内にフラッシュバックした。
「ダチを守りてぇ気持ちは分かる、だが自分の命を
「お前らより小さいからって、嘗めるなよ！」
頭の中に浮かんでは消えていく。彼は赤い、小さな身体で類まれなるパワーを出す、そして喋る動物だった。もしかして、と考える前に、アリスは口を開いた。
『ねぇ、エミーちゃん。その……ナックルズくん？って、毛が赤くて、それでとっても力持ちだったりする……？』
「ええ！？大当たりよ、どうして知ってるの？」
『彼よ、彼が私達を助けてくれたの！』
「ウソー！？あのナックルズが！？」
嬉々として目を輝かせるアリスに、テイルスとエミーは目を見開いた。窓際で退屈そうに座っていたソニックもその言葉に目を開いては口笛を吹く。
＊
驚く反面、エミーはあの時のナックルズの言葉を思い出していた。自分達の声に振り向かないまま武装した兵士に敵意を剥き出しながらも、彼はとある質問を投げかけていたのだ。
「アイツらはどうした」
「……なんの事だ？」
「玄関先に女が2人居たろ！茶髪のと、金髪の！」
「あ、ああ……彼女らなら病院に運ばせたが、それがお前になんの関係が……」
「……フン！」
「あっ！？逃げるな、待てっ！」
その後兵士の攻撃を簡単に躱し、縄ばしごに掴まったナックルズの顔は、何処か安堵したようだった。
「(なるほど、そういう事ね)」
会いたかったなあ、と漏らしたアリスを見、エミーは面白そうに笑顔を浮かべるのだった。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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