第30話 ページ30
『ねぇエミーちゃん。ソニックがハリネズミなら、ナックルズさんは何の動物？』
「どうしたの急に……ハリモグラよ」
エミーの返答を待たず腕に抱えていた分厚い動物図鑑を一生懸命捲り始めるアリスに、クリームは首を傾げた。
『ハリネズミがいればハリモグラも居るのね。でも流石に好きな動物はハリモグラ、はマニアックすぎるかしら……』
「アリスサン？」
『ん！？ああいや、なんでもないよ！』
図鑑を勢いよく閉じて周りを見渡す。クリームを始めとする動物達、ついでにチャックがアリスを不思議そうに見つめていた。アリスもふとその風景を見渡し口を開く。
「アリスサン？どうしまシタ？」
『いや、この風景にも慣れてきたなあって』
「確かにのう。ハリネズミやキツネやらが喋って二足歩行なんて、人生で見られると思ってなかったわい」
「大袈裟だよチャック。それ言ったらボク達も、エッグマン以外にまともな人間見た事ないし」
『エッグマンは人間！？メモっとこ……』
「アリスったらまだエッグマンの事気にしてる……」
エミーが呆れたような目で真剣にメモをとるアリスを見つめるが、明るい笑顔で頷く彼女にそれ以上何も言えなかった。あの困った卵男に何をそんなに執着しているのか、エミーにはさっぱりだった。
『今度はソニックが倒す前に見とかなくちゃ！』
「ねえアリス、思ったんだけど」
『ん？』
意気込むアリスをテイルスが見上げた。目線を合わせてしゃがみこむアリスの目をじっと見つめ、柔らかく笑って言う。
「ソニックだけじゃなくて、ボク達も呼び捨てにしてよ」
「確かに！アタシ達は普通にアリスの事呼び捨てだもの」
『え、いいの？』
「ワタシもクリームって呼んで欲しいデス！」
「チャオ！」
聞き返すアリスに、勿論！と言いたげに頷くテイルス達。しかしソニック呼びになるまでも少し時間を要したアリスはまだ恥ずかしがる様子を見せる。エミーはそんな彼女に近付いて耳打ちした。
「ナックルズだってその方が喜ぶと思うわよ。アイツ堅苦しいの嫌いだし。今のうちに練習しといたら？ね、テイルス」
「うん！」
アリスの目が輝いた。エミーは作戦成功と言いたげにテイルスとサムズアップを交わす。クリームとチーズはきょとんとしていた。
『じゃあ……改めて宜しくね、エミー、テイルス、クリーム、チーズ！』
一部始終を見ていたチャックは、頬を少し赤らめる孫を見て満足気に頷くのだった。
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A - すごく素敵な作品でとても続きが気になります！続編もお願いしますっ！ (2022年4月24日 22時) (
レス) id: 1c577920f9 (このIDを非表示/違反報告)
憂象 - めちゃくちゃ面白いですね！！！！再度ハマるきっかけになりました！！ありがとうございます！！！(><＠) (2022年3月11日 21時) (レス) @page50 id: 63f42a208b (このIDを非表示/違反報告)
にーご - すごく面白いです！続編も期待しています(●´▽`●) (2021年2月7日 21時) (レス) id: 1e32eaca6c (このIDを非表示/違反報告)
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