君には敵わない (ページ2)

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☆動かない足を持つ少女×サッカー少年ページ2

動かない足を持つ少女×サッカー少年

～°～°～°～°～°～°～

(シュっ

『すごい！吹雪くん』

「ありがとうAちゃん」

夕焼けに染まる公園
そこに佇むサッカーゴール

そしてひたすらにボールを蹴る少年と近くで見守る

…車椅子少女

「ごめんね、もう遅くなっちゃったね
そろそろ帰ろうか」

サッカー少年、吹雪士郎はお昼から陽が傾くこの時間までひたすらサッカーをしていた

『…そうだね』

共にこの公園にきて吹雪士郎のサッカーをやる姿を眺めていたA

Aは元はサッカープレイヤーだった
ある事故で一瞬で利き足である右足を動かすことが不可能になった

日課のように吹雪の練習を眺めてはどこか寂しい表情をする

「…やっぱりもう少しだけサッカー付き合って？」

『えっ？いいけど…って、え？』

「ん？」

吹雪は端にいたAを乗せた車椅子を公園中央に押していた

『何やってるの？
私こんなところにいたら邪魔でしょ？』

そう言って自ら車椅子を動かそうと手を掛けるが吹雪に止められてしまう

「ダメ！
そこで大丈夫だよ」

『大丈夫って吹雪くん、まだサッカーやるんでしょ？』

「うん。だから平気
Aちゃんも一緒にやるからね」

『…へ？

む、無理だよ！
私足…動かないし…』

「大丈夫！」

そう言ってAから少し離れて行くよー！と声が聞こえた

(ポーン

(コロコロ…

『！』

吹雪が蹴ったボールはAの正面少し左

…動く左足の前に上手くボールを蹴った

「こっちだよー！」

『う、うん』

(ポーン

『あぁ！』

車椅子に乗りながら利き足ではない左足で蹴ったということで変な方向に飛ばしてしまった

「よっと
大丈夫だよ！

じゃあ行くよ」

また吹雪はAの前にピタリとボールを飛ばした

『！
い、行くよ…』

結局太陽は完全に沈んでしまった

帰り道__

『ごめんね、たくさん吹雪くん走らせちゃったね』

「全然だよ
これでも毎日鍛えてるからね」

『流石だね
…いいなぁ』

「Aちゃん？」

『ううん、なんでもない！』

「ねぇAちゃん
これから僕の練習付き合って？」

『それってさっきのやつ？』

「うん」

『それじゃあ吹雪くんには物足りないでしょ』

「そんなことないよ
…というより僕がAちゃんとやりたいんだ」

『えっと…』

「ダメ…？」

『…いいよ』

「やったー！
じゃあこれからもよろしくね、Aちゃん^ ^」

Fin.