君には敵わない (ページ1)

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☆味覚が足りない少女×罪悪感を持つ少年ページ1

味覚が足りない少女×罪悪感を持つ少年

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吹雪side

『どうぞ召し上がれ！』

僕とAちゃんは一緒に暮らしてる

そして今は夕食の時間

普段は僕が料理を担当してるが月に一度程度、Aちゃんが料理をする

「いただきます」

『…どう？』

「美味しいよ」

『ほんと！？』

嬉しそうな顔をしてAちゃんも食べ始める

「…」
本当はこの料理、ものすごくしょっぱい
多分塩を入れすぎたのだろう

『…』(モグモグ

目の前で食べるAちゃんは特に何の感情も持たずに箸を進める

…Aちゃんには“味覚”というものが分からない

僕はAちゃんと食事を取る度に罪悪感を覚える

『…やっぱり美味しくないの？』

「えっ…？」

『全然食べてないもん』

「あぁごめんね…？少し考え事してて…」

そして僕は料理を口に運ぼうとしたら

(ぐぃ

「あぁ！」

箸に乗せていた料理が落ちてしまった

「Aちゃん？」

『美味しくないなら食べないではっきり教えて』

「えっ…？」

『私は分かんないから…

だから吹雪くんしか味分かんないんだよ？』

「Aちゃ…」

『私が料理をするのは吹雪くんに美味しいって言ってほしいから！

迷惑だって分かってるよ…こうやって料理失敗して食材台無しにしちゃうし…

でも、いつか絶対、吹雪くん好みの料理作りたいの！』

「…

ふふっ」

『吹雪くん…？』

「ん～ん。なんでもないよ」

Aちゃんはすごいよ
自分はいくら料理頑張ったって味分かんないのに
それでも“僕のため”に料理作ってくれようとしてる

「僕って幸せものだね」

『？』

「ありがとうAちゃん

これからも僕のために料理作ってくれる？」

『もちろん！

だからちゃんと味教えてね？

____吹雪くん好みの味！』

「ふふっ

りょーかい^ ^」

Fin.