俺様、何様、登坂様 (ページ16)

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拗ねてたページ16

あれから数分後、直人と別れて先ほど居たお店の前で待っていた。

直人に今度はすごく高級なディナーをご馳走しよう。

それでも足りないくらい、お世話になってしまっている。

「高級レストラン美味しい」とネット検索しながら、臣のことを待っていた。

すると急に『登坂広臣』と、画面が切り替わり着信が鳴る。

びっくりして携帯を落としそうになりながら、通話ボタンを押した。

『ははっ、あっぶねーなー』

「おみ、」

『目の前、早く来い』

すぐに電話を切って、見覚えある車に駆け寄る。

あれだけ会いたくないと思っていたのに、胸が鳴った。

会いたくてたまらない。

助手席を開けると、仕事から帰ってきたままのスーツ姿の臣が居た。

きゅん、と鳴る。

「連絡せずに遊びに行くの、久々じゃね？悪い子になったもんだな」

「…ごめんなさい」

「仕事から帰ってきて、家にお前が居ないとつまんねーの」

「え？」

「ちゃんと家にいてよ。おかえりって言われないと、一日終わった感じがしない」

ぐっと涙をこらえた。

こんなにも必要とされていたのに、臣の事何も信じていなかった。

私が素直にならなくちゃいけなかった。

勝手に一人でもやもやして、臣のことを何も考えてなかったことに気付く。

「私…、拗ねてたの」

「は？」

「臣が元カノのところに行っちゃうんじゃないかって、不安だった。だから、拗ねてた。…ごめんなさい」

「…よく聞け」

「はい、」