上司はぬいぐるみをムニムニする１ ページ1
「よし、これで終わりっと。」
フロアに響く私の声に耳を傾けるものはいない。
珍しく皆出払っているのでフロアは静まり返っている。
時計を見れば22時30分を過ぎたところだ。
今日は久々に日付が変わるまでに帰れそうと浮き足立つのを抑えてパソコンの電源を落とし、さぁ帰ろうという時にポケットのスマホが着信を告げる。
「げ。」
つい声に出てしまった相手はかのパワハラ上司からだ。
出ないという手もあるがでなければ後が面倒くさい。
渋々通話ボタンを押す。
「・・・もしもし。」
「出るのが遅い。」
「すみません。」
出て早々の説教に素早く謝ることも慣れてきた。
「まぁ、いい。俺の机にある茶色の封筒を今すぐ俺の家に持ってこい。」
「えっ？・・・降谷さんの家知らないんですが。」
「今から言う。覚えろ。」
そう言って言われた住所を頭の中で広げれば私の家と真反対だし少し遠い。
今から行けば終電を逃してしまう可能性がある。
「ちなみに一度家に帰ってバイクでくるという選択肢は無しだ。」
「うっ・・・。」
先を読まれていた。
上司の言うことには聞かないといけないこの縦社会。
絶対私が部下を持った時はこうなるまいと誓う。
「分かりました。今から届けます。」
「あぁ。頼んだぞ。」
そう言ってプツリと切れた電話にため息をつく。
――今日も午前様かー下手すればネカフェで一晩だな。
最近鬼以上に鬼畜な気がしてならない。
念のためロッカーにあるお泊まりセットと上司の机にある茶色の封筒を持って重い足取りでオフィスを出た。
電車を乗り継ぎ最寄駅で降りて歩いてマンションに向かう。
私より稼いでいるからてっきり高層マンションかと思えば普通のマンションで少しばかり驚く。
まぁ、セキュリティーは完璧のようだが。
部屋番号を押して名乗れば開くエントランス。
そのまま部屋へ進みドアのインターホンを押せばすぐにドアが開いた。
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月詠(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます！少し更新スピードが落ちてますが気長に待っていただければ幸いです。 (2019年11月29日 21時) (
レス) id: a4fc351ca6 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年11月16日 0時) (レス) id: fb97b4034b (このIDを非表示/違反報告)
月詠(プロフ) - まよさん» 初めまして。ありがとうございます！すごく励みになります。気長にお付き合いくださいませ。 (2019年9月27日 17時) (レス) id: c30e1cbeb8 (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - 初めまして(^^)すごい面白くて夢中で読んでます!更新楽しみにしてます！ (2019年9月26日 12時) (レス) id: f3e2704753 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月詠 | 作成日時：2019年9月13日 17時
