Closer

#-20 ページ20

最終のチャイムが校舎に響き、超特急で帰っていく生徒たち。



流れに乗ってそうしようかと思ったけど、良心が痛んで出来なかった。
なんて良いやつなんだ。あたし。



チ「ねぇAさっきさ…」


「さっき？」


チ「地理の授業。どしたのあれ。らしくなかった」



あたしに気づくのはホントにチナだけ。
気遣いは人一倍出来るのに何で彼氏出来ないんだろ。



「まぁいろいろあった」


チ「のんちゃんと？」


「そうだね」


チ「そう…ファンに食いちぎられないようにね」


「怖いこと言うんじゃない」


『柊ー、柊おるー？』



あっ、来た片割れ…
今日は教室なのかな？



小さいから背伸びしてるのが面白い。
これ本人に言うと怒られるけど。
いつも隣にいる小瀧先生がでかいからってのもある。



「はい」


『お、おった笑』


「何ですか？」


『何って迎えに来た』



ぎゃああああとこれまた周りにいた女子が奇声を上げてテンションもアゲアゲに。



なんなの、この無自覚プリンスたち。

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