異世界はチートとともに。【イセスマ】 (ページ40)

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異世界39 ページ40

カルロッサ「間違いない。若い頃の七重殿に瓜ふたつだ。
　母親似でよかったなあ！」

愉快そうに笑う子爵と、なんとも言えない笑顔を返す八重

冬夜「あの…八重とはどういう…？」

カルロッサ「ん？ああ、この子の父親の重兵衛殿は、
　我がソードレック家の剣術指南役だったのだ。
　私がまだ若い鼻垂れ小僧だったとき、こっぴどくしごかれたもんだ。
　いや、あれは厳しかった。もう20年も前になるのか」

八重「父上は今まで育てた剣士の中で、
　子爵殿ほど才に満ち溢れ、腕が立つ者はいなかったと
　いつも口にしてござる」

カルロッサ「ほほう？世辞でも嬉しいものだな、師に褒められるというのは」

子爵に向かって真剣な眼差しを向けながら八重は言葉を続けた

八重「もし出会うことがあらば、ぜひ一手指南していただけとも…
　父上は申していたでござる」

カルロッサ「ほう……？」

八重の言葉を聞いて、子爵は面白そうに目を細めた
娘の実力がどれくらいか、指南してほしい…
という意味で八重が此処に居るわけか

ソードレック子爵家の庭には武闘場があった
これどう見ても日本の剣術道場だよな？

カルロッサ「ここは重兵衛殿が設計して、私の父上が建てた道場でな。
　イーシェン風に作られている」

八重「実家の道場とよく似ているでござる。
　いや、懐かしい」

私と冬夜も懐かしいのだが…
いつか行ってみたいな…イーシェンって国に

カルロッサ「お前たちの中で回復魔法を使える奴がいるか？」

罪歌「私と彼とこちらの彼女が使えますが…」

カルロッサ「では遠慮することはないな。
　全力でかかってこい」

私と冬夜は懐からスマホを取り出した
指南するにあたって、この記録は大事だよな

リンゼ「…なにしてるんですか？」

リンゼが不思議そうな顔で尋ねてくる

冬夜「ちょっと後々の参考にね」

そう答える間に、審判役を買って出たエルゼが二人の間に立つ
互いに準備が完了したのを確認し、声を上げる

エルゼ「では───始め！」

弾丸のような速さで八重が子爵に斬りかかっていく
子爵はその一撃を真正面から受け止めると、
次いで連続で繰り出される八重の剣撃を、すべて自らの木刀で受け流した

八重は撃ち込みを続けているが、
子爵は流し、躱し、受け止め、攻撃はしてこない

カルロッサ「なるほど。わかった」

子爵は何かを察して理解したらしい
私的には分かっていないが