異世界はチートとともに。【イセスマ】 (ページ29)

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異世界28 ページ29

男たちをシバいて、町の警備兵がやってきたので後を任せ、
私達は現場から離れる

「ご助勢、かたじけなく。
　拙者、九重八重と申す。
　あ、ヤエが名前でココノエが家名でござる」

この子…イーシェンって所の出身か？

罪歌「もしかして貴女は、イーシェン出身ですか？」

八重「いかにも。イーシェンのオエドから来たでござる」

オエド……江戸時代な感じなのか？

罪歌「私は七宮罪歌です。
　罪歌が名前で、七宮が家名です」

冬夜「僕は望月冬夜。冬夜が名前で望月が家名ね」

八重「おお、罪歌殿と冬夜殿もイーシェンの生まれでござるか！？」

冬夜「いや。似ているけど違う国から来た」

エルゼ・リンゼ「え？」

罪歌(冬夜ってば…；
　まぁ、聞かれたら誤魔化すか…)
　「それより…さっきの戦いの最中にふらついてたみたいだが…
　どこか身体が悪いのか？」

八重「いや、身体は問題ないのでござるが、
　そのぉ……拙者、ここに来るまでに、
　恥ずかしながら路銀を落としてしまい、それで……」

ぐうぅぅうぅう

八重のお腹が盛大に鳴った
彼女は顔を真っ赤にして肩を小さくしている

丁度私達も食事をしようと思っていたので、八重を連れて食事処へ入った
だけど、彼女は見ず知らずの人に施しを受けるわけにはいかない
とかなんとか言って、食事を取ろうとはしなかった

冬夜「僕らは旅の思い出にイーシェンの話が聞きたい。
　その代わり、僕らは君に食事を提供する。
　これは施しなどではなく、対等の取り引きだ」

八重「それなら…」

取り引きが成立して食事を取ることにした

リンゼ「へぇ～、八重さんは、武者修行の旅をしているんですか」

八重「モグモグ…いかにも。
　我が家は代々武家の家柄でござる。
　実家は兄が継ぎ、拙者は腕を磨くため、旅に出たのでござるよ」

エルゼ「なるほどね～、苦労してるのね…あんた偉いわ」

食べるか話すかどっちかにした方が…って、今は無理か

冬夜「で、八重はこれからどうするの？
　何処か目的地とかってあるのか？」

八重「モグモグ…王都に昔、父上が世話になった方がいるので
　そこを訪ねてみようと思ってるでござるよ」

イーシェンから王都に行く人っているんだな…
というか凄い食べるが苦しくないのか？

とか思ったが、大食いな女の子が仲間に居るから聞くことはしなかった