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5話 ページ7

「じゃあ今日はここまでねー。ミニレポート書いたら提出してね。」

終了時間の30分前、教授の声と共に小さなレポート用紙が配られる。教育学部の教授って、本当に説明長いんだよね…。

ささっとレポートを書き終えると、どうやら涼太やむっくんも書き終えたようで、筆箱をカバンにしまうところだった。みつはまだまだ時間がかかりそうである。

「2人とも書き終えた? 持ってくから貸して。」
「お、お願いするっス!」
「Aちんお願い〜。」
「はいはーい。じゃあまた、同じ授業あったら一緒座ろーね。みつ、私は用事あるから先行くね。」

ひらひらと手を振り、私は講義室を早々に出る。やはり200人ほどいる教室は暑いったらありゃしない。暑い。

「…っと、赤司に連絡だけはしなきゃ…。」

カバンに入れていたスマホを取り出し、私はラインを起動する。赤司から一言、「部室で待っている」とだけ返事が来ていた。

Aごめんね、赤司。今授業が終わったから、すぐそっち行く。

それだけ送りつけると、私は早足で部室に向かう。なんだか土岐原先輩に会えなくても、水野先輩がいると思うと少しもやもやする。苦手なのかもしれないな、水野先輩のこと。ただでさえ、赤司とも顔を合わせにくいのに部室をセレクトする私も私だろうな。

「お疲れ様です、Aです。」
「やぁ、お疲れ。もう終わったんだな。」

部室には赤司しかおらず、土岐原先輩も水野先輩もいなかった。ある意味では楽かもしれない。

「話があるんだがここではなんだし、取り敢えず外に行こうか。」
「あー…うん…?」

赤司に手を掴まれ、私は拒否する間もなく外へと連れ出される。がちゃり、とナンバーロック錠をかけられてしまい、仕方なく私はご飯に行くことにする。

話したいことなんて、私がこっちにいる理由とかなんだろうな。あと朝の態度とか。正直悪かったとは思ってるけど、なんで今なんだろう…。

「どうした? 行くぞ?」
「ん。なんでもない。何処行くの?」
「近くにあるカフェ…と称していいのかな。」
「んー…? あっ、わかった、“夢桜(ゆめさくら)”行くの?」

“夢桜”は、私たちのサークル御用達のバーだったりする。夜は確かにバーなのだが、お昼は学生たちのためにカフェっぽい感じで開いている。夢桜の店主は、サークルのOBさんだし。

「早く行きたい。行こう?」
「ハイハイ。」

赤司は呆れながらも私の前を歩き始めた。

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作者名:みあ | 作成日時:2017年7月15日 8時

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