仔犬が二十匹 ページ34
NO side
ロイヤルソードアカデミーの生徒が、何も気づかずディスクをゴールへ運んだ
しかし、一向に歓声は上がらなかった
それもそのはず。観客の視線はある一点に注がれていたのだ
ｸﾙ「…おい、なん、A…？Aｯ！！」
ナイトレイブンカレッジ生は箒を乗り捨て、チームメイトが飛ばされた場所へと走っていく
コート外にあるリグナムバイタの大木の下に、Aは横たわっていた
ﾙｲ「まさか……この木に当たったっていうのか？」
ﾁｪﾝﾄﾞ「な、何が起きたんだ？俺、よく見てなくて…」
ｸﾙ「おいA！A！しっかりしろ！なぁ、目を開けろって…」
ｸﾛｳﾘｰ「クルーウェルくん、彼なら私が治します。君たちは試合に集中してください」
ﾚｵ「はぁ⁉仲間が怪我してｯ意識も無いんだぞ⁉試合続行しろってのか⁉」
ｸｲﾝ「この試合は中止にすべきです！」
RSA生「そんなの認められないですよ。怪我人が出た場合は補欠選手を出して試合を続けるのがルールでしょう」
ﾚｵ「てめぇ！元はと言えばお前らのルール違反が原因だろうが！！」
RSA生「なんの根拠があってそんなことを…」
ﾌｨｰ「そこに立っている彼に聞いてみれば良いのでは」
ｼﾞﾐｰ「！」
ｸﾛｳﾘｰ「……とにかく彼は医務室に運びます」
ｸﾙ「ｯ……よろしくおねがいします」
ﾁｪﾝﾄﾞ「何が起きたのか誰か説明してくれ」
ｸｲﾝ「Aがデイヴィスにパスを出した後、ロイヤルソードアカデミーの方が攻撃してきたんだ。風魔法と木属性の魔法でな」
ﾙｲ「それでAは吹っ飛ばされて、この世界一硬いと言われるリグナムバイタの木にぶつかった」
審判「攻撃したのは君たちですね？」
ｼﾞﾐｰ「僕は彼がまだディスクを持っているときに呪文を唱えました。魔法が放たれたときにマズいとは思いましたが手遅れで……」
ﾌｨｰ「呪文を唱えてから発動するまでに時間がかかりすぎではないか？なんのために魔法士養成学校に通っているんだか」
ｼﾞﾐｰ「意味のない侮辱はやめたらどうだ。僕はルールを破っていないぞ。もし、ディスクを持っていないときに攻撃されたのなら防衛魔法を唱えるべきだっただろ」
ｸｲﾝ「あ゛ぁ…？Aが悪かったって言うのか⁉」
審判「そこまで！試合を再開します。貴方がたは厳重注意です」
ｸﾙ「クイン、出番だ」
ｸｲﾝ「Aの仇だ」
結果は、ナイトレイブンカレッジの惨敗だった
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作者名：Dオタの極み | 作成日時：2020年10月26日 22時
