賢い狐にご用心 Ⅱ (ページ17)

今日:11 hit、昨日:20 hit、合計:22,207 hit

犬が五十二匹ページ17

　
　
　
『おはよう、サバナクロー諸君……おや？監督生君とグリム君。何故君たちがここに？』

「あ、おはようございます先生！実は……」

　
…………

昨日の僕の考えは現実になったようだね

『監督生君……もう少し考えて行動しようか』

「ちゃ、ちゃんと考えました！」

「それで寮を担保にされちゃだめッスよ〜」

「うぅ………そういえば、なんでフェール先生はここに？」

「先生には1週間に一度、サバナクローの朝練に付き合ってもらうことになってる。今日もよろしくお願いシャス！」

『元気でよろしい』

ハウル君は素直でかわいいねぇ

コッチのライオン君もそのくらい素直だと良いのだけど

「あ？なんだよ」

……かわいくない

「先生ってマジフト上手いんですか？」

「何言ってんスか。フェール先生マジフト部の副顧問ッスよ」

「ふなっ⁉お前運動できんのか⁉」

「こらグリム！！」

『ふふ。よく言われるよ。でも昔からマジフトは得意でね。見せられる機会があるといいね』

「今は見せてくれねぇのか？」

「おい、無駄話はそこまでだ。さっさと練習するぞ」

…今、キングスカラー君に助けられたのか？

なんだか変な気分だな

『さぁ皆！用意はいいね？試合開始だ！』

『さて、やりすぎも良くないし、今日はここまでね』

サバナクローは元々運動が得意な生徒が多いから、レベルが高い

僕が教えるまでもないくらいだけど

「寮対抗マジフト大会よりも、もっと大規模なヤツが毎年5月にあるんスよ」

「ふな゛っ⁉あれよりもデカい規模の大会があんのか？」

「学園対抗戦だ」

……学園対抗戦、ねぇ

いい思い出のカケラもない

思い出すだけで腸が煮えくり返る

「まだ負け越しは99回ッス！今年は100年目の正直で絶対勝ってやるんスから」

「でも、そんなに大差で負けているわけではないんですよね？」

「そうッスね〜。まぁそれは年によるッスよ」

『……一度だけ。途中まで接戦だった、というか我々がリードしていたのに一気に引き離された試合がある』

「「「「え？」」」」

「…………」

『さぁ！これ以上無駄話を続けていてはホームルームに遅れてしまうよ。早く寮に戻って着替えを』

「！もうこんな時間か。ユウ行くぞ」

「レオナさんも授業出てくださいよ！」

ﾀｯﾀｯﾀｯ……

「言いたいのか言いたくねぇのかどっちなんだ」

『……さぁ』

別になんだっていいけどね