賢い狐にご用心 Ⅱ (ページ15)

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犬が五十匹ページ15

　
　
　
『はぁ〜〜…………』

「どうした、A」

『苛々していて機嫌が悪いのを隠せなかった………僕としたことが………』

「昨日のオクタヴィネルの件か」

『そう………』

時は変わってイソギンチャク騒動の翌日の昼休み

例によってデイヴィスと二人で魔法薬学室に籠もっていた

そして、僕は今相当へこんでいる

「誰にでも心をかき乱されるときはあるだろう。少しくらい態度に出したところで……何も問題はない」

『………なんだかすごく説得力があるなぁ』

「おい、どういう意味だ」

『ふふっ…………ありがとうデイヴィス』

「…ふっ、You're welcome」

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クルーウェルside

Aの弱い部分

自分が一番悪いと思い込んでしまうこと

今回の件でAの機嫌が悪くなるのも仕方のないことだと俺は思う

……俺は知っている

アイツが努力に固執していることを

アイツの学生時代の成績も、魔力も

全てAの努力の上に確立されたものだ

それが本人の意思によるものではないとしても

強制されて、努力させられていたAはズルを本当に嫌っている

自分の力ではなく、アーシェングロットの手を借りた生徒を、

人間の弱みに漬け込んだアーシェングロットを見ていて

Aが気分を害してもおかしくはない

全く、どいつもこいつも………

　
Badboy、だな
　
　