約束ーRen ページ31
春。
大阪に異動することになった。
支社で欠員が出たらしく、課長から異動の打診を受け拒むこともできたけれど、いいタイミングだと思い話を受けた。
でも、、
「やだぁーーー！！！もも一緒に大阪行くのー！！」
納得…できるわけないよな…。
結婚をやめたこと、引っ越すこと
完全に俺たちの都合にももを巻き込んでしまった。
引っ越しの荷物も、片付けたそばからひっくり返して泣き出すもも。
Aさんがなだめて抱きしめても、
「ママなんて大嫌い！！」
と叫んで叩く始末で、
どうしようもない状態が何日も続いていた。
そしてそれは、引っ越しの当日になっても変わらなかった。
「ももちゃん、今日は引っ越し屋さん来るから、危ないからママのそばにいてね」
「嫌っ！ママどっか行って！」
「ももちゃん…」
Aさんが差し出した手を振り払うと、部屋の隅へ行って泣き出すもも。
「れんれんと一緒がいい！お引っ越し嫌だ！！」
膝を抱き抱えて泣くももの背中を見て、唇を噛み締めてるAさんの曇った表情に胸が苦しくなる。
「もも」
「…れんれん？」
「ちょっとお散歩行こか？」
数えきれんほど一緒に歩いた公園までの道をももと手を繋いで歩く。
ももは何も言わず地面を見たまま、それでも俺の歩調に合わせて歩いている。
歩き始めたころは危なっかしくて仕方なくて、専属SPばりについて回ってたのに。
…しっかり歩けるようになった。
公園に着くとベンチにふたりで座る。
うつむいたままのももの顔を覗き込むと、鼻をすすっていた。
「もも、ごめんな」
「……」
「急に一緒に暮らせへんくなってしまって、ほんまにごめんな」
「……っ…！」
ももの目から涙が溢れ出す。
声も出さずにただただ泣くももの姿に、胸が張り裂けそうになった。
「もも。
ほんまは、俺だって嫌や。
ずっと一緒におりたい。
赤ちゃんの時から見てるんやで？
離れたいわけないやんか。
言葉にしようとしても見つからへんくらい愛しくて、どうしようもないほど大切な存在や。
…けどな…
れんれんは、もものママに、ほんまの幸せを掴んで欲しいって思ってしまったんよ」
Aさんがいるから、ももがいる。
ももを愛しいと思う以上に、Aさんが愛しい。
たとえももを泣かせても、
Aさんが幸せになってくれるなら、
この選択に、後悔なんてしない。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
