私の幸せ9 ページ30
自分の部屋へ戻ると、クローゼットを開ける。
音を立てないよう
慎重に荷物を出して、取り出したのは古いダンボール箱。
もう、開けるつもりはなかった。
廉くんと結婚する前に、箱ごと捨ててしまおうと決めていたのに…
ガムテープを剥がそうとして、一度剥がされた跡に気づく。
「…廉くん…」
こみ上げてきた涙を乱雑に指で拭うと箱を開けた。
想いとともに封印していた思い出に触れる。
過ぎた日々もかけがえのない宝物も、
すべてここに閉じ込めてきた。
紫耀くんの子供を産む。
それだけで良いと、それ以上を望むのは欲張りだと思っていた。
『Aさんは…どう生きるのが幸せ?』
問われて真っ先に頭に浮かんだのは、紫耀くんの笑顔だった。
私の幸せは……
箱の中で光る指輪を、そっと握りしめた。
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愛 - 続きはまだでしょうか?急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです!更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです!更新頑張ってください!! (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピナパル | 作成日時:2018年10月22日 8時