全部、聞こえてますが【稲荷崎】

２３ ページ24

「最後！最後あそこ行こうや！」



「侑、前向いて歩きや」




皆さん結構東京を楽しんでいて、帰りの便の時間を億劫に感じているようだ

当の私は、あそこがいいどこへ行きたいと、皆さんの本音と建て前を受け止めながら歩いて、

もう精神的にヘトヘトである




『ツムさっきから騒ぎすぎやAが可哀想やろ、こんのギャンギャン星人が』


『何をそんなにはしゃいでんのや侑は。林さんが乗り移ったか←』




侑さんに母さんが、、、ぞっとしますね北さん。




「侑さん、この店ですか？」



「おー！」



「私、此処で待ってますね」



「ばぁちゃんに土産買ってくる」



「俺も疲れたし荷物番するわ」




あれ、二人きりだ。怪しまれないようギリギリの距離を置こう




「振り回してすまんなA」



「あ、いえ、すごく楽しいですよ」



「ええオト、、オカン、うん、ええ人やったな←」



「、、、母さんが亡くなって、ある日ポロっと出ちゃったんです、”母さんがいない”って」

「そしたら父さん、突然女装はするし化粧はするし女子トイレ入るしで←」

「最終的には楽しくなっちゃって今あの感じです」



「ま、楽しそうならええんとちゃうん？」



「ふふ、はい」



「っ///、、せや、そういや林ちゃんに貰た写真でおもろいのあったな」



「、、、、治さん、ホーム画面に見覚えがあるんですが、気のせいですか？」



「お？ああ、ええやろこれ、厄除け」




人がめり込ませた柱の写真を厄除けて、、、失敗した、いつまでネタにされるだろう




「か、変えてください」



「駄目。手がここまで届いたら変えたるわ」



「えぇ、、、」




身長差、どれだけあると思ってるんだ、、

でもネタになるの嫌だしなぁ




『あーほんまちっこいなぁA。飛んだ拍子にキャッチしたら怒られるか』




しまった、射程圏内に入ってしまった

２４→←２２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す