xとy【緑】season1

story 43 ページ43

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『Aさん、オープンキャンパス楽しかった？』




お昼休み


学校の中で誰も来ない屋上へと続く階段






私のお休みスポットに阿部が来た









教室では一言も話さないことを約束させたが、少し話を聞いてほしくてメッセージを送ったら、

お昼を一緒に食べようと言われ、今に至る








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「…進みたい進路が見えた気がする。」



『そっか、よかったね！』


「でも…」




『え？何かあった？』









阿部に奨学金について話した


親のサインがないと借りれないはずだと









『…確かに、

奨学金って言っても借金だからね…』



保証人がいるもんね、と阿部が考え込む







「成人してから学校行こうかな。」




20歳になれば親の承諾もいらなくなるはず

成人するまではバイト掛け持ちしてたくさん働けば、学費も払えるかもしれない









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『…俺、一回調べたことがあるんだけど、


機関保証っていう制度があった気がする。』






「キカンホショウ…？」




『そう。連帯保証人をたてない替わりにお金を払っていくやつ。』








阿部が言うには連帯保証人はいらないが、月に何円か引き落とされる制度…らしい







『それに奨学金は多分、成人しても親のサインがいると思う。』









すぐに夢へと踏み出すか






お金が整ってから慎重に踏み出すか









人生は難しい選択肢ばかりだ









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