Fから始まる物語２

78話 ページ31

拓也さんのポリープの話を聞いてから
私は毎日、心のどこかで不安を抱えていた

拓也さんの声が戻らなかったら、
拓也さんが戻って来なかったら、
必要のない不安が私の中に残る。


そして何より、もし私が同じような状況になったら？


私のせいで活動休止にはできない。
些細な事でも、メンバーに相談しなければ。



龍「瑞輝、最近変じゃない？」

杏「私も思ってた、、
なんか心ここにあらずって感じ。」

植「？？そうか？
俺にはいつも通りに見えるぞ？
仕事にも抜かりないし」

杏「たまに、遠い目をしてるんですよ！
一瞬だから、あんまり気づかないかもですが、、」

龍「拓也さんの事心配してるのかもな
瑞輝にとって、兄貴みたいな存在だし」

杏「拓也さんの手術っていつでしたっけ？」

植「今週末って言ってたな」

杏「瑞輝連れて行こうかな、、」



杏「瑞輝！
今から拓也さんのお見舞いに行かない？」

『んー。いいや、やめとく！
喉きついのに話させる訳にはいかないし！
手術終わって、戻ってくるまで待ちたいかな』

杏「そっか、、でもさ、不安なんでしょ？
いつも通りに振る舞ってるけど、
私と龍哉くんにはバレバレだよ。」

龍「心、ここにあらず。って感じを出してるからな
植木さんは気づかなかったけど(笑)」

『流石ですね。お見通しか。

でも、手術終わるまで待ちたいっていうのは
本心なんだよね。
拓也さんにもメッセージでそう伝えたし

2人に気を使わせて申し訳ないけど、
やっぱり今日行くのは辞めとくよ』

龍「ならいいけど。
明後日は晋平と翼が来るんだから、気持ち切り替えといてよ」

『ありがとう』


とは言ったものの、、、
一抹の不安はぬぐえないよね。


よし、こんな時は飲みに行くのが一番。

たまには一人酒もいいかな。

このお店、ちょっとおしゃれだし、1人でも良さそう。

いらっしゃいませ！と声をかけてくれた
可愛い店員さんに案内されカウンターに移動した。

店員「ご注文が決まりましたらお声かけください」

『ありがとうございます。

さて、何を飲もうかな。
お、梅ハイボールがある！しかも、梅水晶まで！
これで決まりだなー』

？「あれあれあれ？？？
もしかして瑞輝ちゃん？」

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