#21 ページ21
ほのかは頭のいい女だ。
しょっちゅう俺のことをバカだの犬みたいだの言ってくる。今回もそういう意味で俺に言ってきたと思ってた。
"あんた口堅い？"
人には勝手に言われたくないことがある。俺にだってそれはあるぜ。(今DVDのことだと思った奴、怒るぞ)
「…ふふっ」
不意にほのかが笑った。
どこに笑う場面があったのかわからなくって俺はちょっと戸惑う。
「な、なんだよ」
「ううん、べっつにー」
ほのかはそうテキトーに返事をするとAの机にいってガサゴソ荷物をまとめはじめた。
「あのね、今からAを家に送るんだけど…Aの荷物持ってくついでに保健室一緒に行く？」
「マジ？行く行く！」
「その代わり、私一人だとA送るの大変だから手伝ってくれる？」
俺はキョトンとした。
「別に構わねぇけど…なんでお前が送るんだよ。学校の先生とかあいつの親とかにやらせりゃ…」
「あの子ね、実質一人暮らしなの」
「へ？」
一人暮らし…？
この歳で一人暮らしってどういうことだよ。
Aの意外な事情が明らかになって俺は驚く。
ほのかは人差し指を立てて口元に寄せる。
「あんまり言わないでね」
これ以上きくなってほのかの目が言ってる。
うぉーっ…めっちゃくちゃ聞きてぇ。
「お、おっけー」
首をブンブン縦に振って俺は日誌を手に持つ。
それ以上は聞かないように言葉を飲み込んできゅっと口を閉じた。
・・・
ガラガラ…
静かにほのかは扉を開けて中に入る。
その後に続いて俺は消毒液の匂いがする保健室に入った。
保健室の先生はいない。会議かなんかか？
「A〜。荷物持ってきたわよ」
手前のベットのカーテンを開けてほのかは話しかけた。
俺もそろ〜っとひっそり中を覗いた。
「…ありがと…ほの。けほけほ…///」
俺は目を大きくした。
赤い顔のAはベットに横になっていた。
ほのかが来たからぐったりと体を起こして、俺たちの方を見る。
その顔に…いつもの黒メガネがない。
ニキビ一つもない真っ白な肌。くっきりとした細い眉毛とすらっとした鼻筋、紅色の薄い唇。
「〜ッ！！///」
めっちゃ美人じゃねぇか！！///
メガネとっただけであの女の周りにキラキラしたものが見える。
雰囲気が明らかに一変してる。
「ん？お前…」
寝てたから髪の毛が少し乱れたA。
でもやっぱりメガネの下の青い目はやっぱり鋭い。
「…ほの、なんであいつがいるんだ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鮫(w.d)(プロフ) - まててさん» こんにちは。コメントありがとうございます。こうして面白いとコメントいただけてなによりも嬉しいです。テンションが上がります。更新は遅いですが、これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします。あとコメ返遅くなってしまってすみません！ (2017年10月11日 20時) (
レス) id: 774d622fc1 (このIDを非表示/違反報告)
隼風朱雀(プロフ) - 鮫(w.d)さん» はい、気長に楽しみにしてますね！お友達の件、ぜひとも宜しくお願い致します！！嬉しいですー！！！ (2017年10月11日 20時) (レス) id: 1992c75747 (このIDを非表示/違反報告)
鮫(w.d)(プロフ) - カインさん» コメントありがとうございます。あと返信遅れてしまってすみません。面白いと言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです。ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (2017年10月11日 20時) (レス) id: 774d622fc1 (このIDを非表示/違反報告)
鮫(w.d)(プロフ) - なぎさん» 返信遅れてしまってすみません。できるだけぽんぽん更新できるようにしたいんですが忙しくて。笑でもコメントありがとうございました。ゆっくりですがこれからもよろしくお願いします。 (2017年10月11日 20時) (レス) id: 774d622fc1 (このIDを非表示/違反報告)
鮫(w.d)(プロフ) - 森嶋朱雀さん» いつもコメントありがとうございます！ごめんなさい、返信が遅れてしまって。 わりとゆっくりじっくり進めていこうかなって思うのでよろしくお願いします。あと、別の場所でもコメありがとうございました。お友だちのやつ是非お願いしたいのですがまだ間に合いますか？ (2017年10月11日 20時) (レス) id: 774d622fc1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
