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第12話 ページ15




「なんで…おいつくのっ……」

「お前が…訛ったんじゃ、ねぇの?」

「はぁっ……尚ちゃんと陣平ちゃん、二人とも早すぎ……」


もう知らん!と言って走り出した私を彼らは追いかけ、いつの間にか競争になっていた。

無駄に全力で走った私達は、図書館の前で息を切らしていた。


決して萩も足は遅くないしなんなら速い部類に入るのだが、幼い頃からかけっこはいつも私の方に軍配が上がっていた。

ただ、陣平にはどう頑張っても僅差で負けてしまい、先程だって私の方が先に駆け出したはずなのにまたギリ負けた。どうして。


まだ若干息が上がっている私は、額に滲んだ汗を拭って息を整える。


「はあ〜汗かいた……早く本借りてお風呂いこ」

「お前、ホント自由だな…」


ほらほら、と呆れる彼らの手を引っ張って図書館内に入れば、走った後の身体に丁度いい温度の空気が私達を包む。

その涼しさにほうっと息をついてから、私は目当ての本を探し始めた。


本棚の番号を辿りながら探すとそれは案外すぐに見つかり、私は満足気な顔で二人の方を振り返る。


「見っけたから借りて──」
「……あ、降谷ちゃんだ」


借りてくる、と言おうとした丁度その時、萩の声と被って私は口を噤んだ。


萩の視線の先には、恐らく一度見たら印象的過ぎて忘れられないであろう目立つ金髪。

一応釘を刺したとはいえ、陣平が過剰反応するので出来れば今一番遭遇したくなかった相手──降谷だ。


案の定陣平は、端のテーブルに向かって本を読みながら何か書いている彼の姿を見るなり、そちらへツカツカと歩き出した。


「ちょ、まてまてまて……!」


陣平ちゃん!という萩の声と私の制止も虚しく、彼はもう降谷の目前に居た。

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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , 降谷零、安室透   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:りもねん | 作成日時:2022年5月28日 14時

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