廿伍話 始まりの呼吸 ページ26
「始まりの呼吸?」
私が首を傾げて言うと、実弥お兄ちゃんはおはぎを飲み込んでから頷いた。
「呼吸には5つの基本流派があるんだが、更にその元となった呼吸を始まりの呼吸っつーんだ」
「へぇ……5つの基本流はっていうのは、風と水と火と岩と音と花? あ、蛇?」
「風と火と水と岩と雷。宇髄の音の呼吸は雷の派生、伊黒の蛇の呼吸と胡蝶の花の呼吸は水の派生だ。妹の方の蟲の呼吸は花の更に派生」
凄っ……そんなに色々入り組んでたんだぁ。雷の呼吸使う人見た事無いなぁ。
白餡の最中をもぐもぐと噛んで飲み込みながら、そうするとやっぱり初めの初めは凄いんだなぁと思う。
「で、始まりの呼吸を生み出した人の子孫にお館様のおく様が会いに行ってるんだよね」
「あァ。子孫だからって才能があるとは限らねェが、鬼殺隊に勧誘するおつもりだろうな」
「でも家族とか持ってたら入ってはくれないんじゃないかな」
「大丈夫だ、11歳だから」
……11??
「子供っ!? 私よりとし下!?」
「双子の兄弟だと。両親はどっちも居ねェが鬼に殺されたワケではねェらしい」
「へぇ……」
実弥お兄ちゃんが頑なに稽古つけてくれないから、もしかしたら13歳になるまで訓練をしてはいけないっていう決まりでもあるのかと思っていた。
何だ、ただ実弥お兄ちゃんが心配性なだけか。
ちょっと会ったみたいなぁ。今のところどこ行っても小さい子扱いされるから、お姉ちゃんぶってみたい……。
「入ってくれる事になったら言ってね、私会いに行くから」
「はいよ」
私双子見た事無いんだよなぁ。やっぱりそっくりなのかなぁ。
私お兄ちゃんとはよく似てないって言われてたけど。
「ねぇねぇ実弥お兄ちゃん、私が呼吸使うとしたらやっぱり風の呼吸?」
「実際やってみねェと分かんねェよ。だがまぁ、水とか火って言われたら俺は教えらんねェからな。風の派生なら何とかなるかもしれねェが」
「風の派生って例えば?」
「あー、何つったっけ……霞?」
「霞なんてあるんだ」
面白いなぁ。それぞれに日輪刀の色もあるって事だもんね。
私は何の呼吸になるのか楽しみだ。
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瘉月(プロフ) - ゆずさん» 原作は悲しいこともありますが…それ以上に楽しいこともあるので、楽しみにしています! (2020年9月14日 21時) (レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 瘉月さん» ありがとうございます! 早く原作に入りたくてウズウズしているので、時間を見つけて更新しようと思います。 (2020年9月14日 19時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
瘉月(プロフ) - 本当に面白いです!毎回見てます。頑張ってくださいね! (2020年9月14日 17時) (レス) id: c566db76b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2020年8月8日 21時