夕食と歓声 ページ35
質問大会が終わってやっと解放されたと思ったら、今度は夕食を作らなければいけないらしい。
コーチからメニューを渡され、思わずため息をつく。
なにせ、量が凄い。
でも、今居るのはベンチ入りメンバーだけだからまだ良いのかもしれない。
これが全員になったら・・・なんて事を想像して、またため息をついた。
気を取り直して、厨房へ。
私は、寿美鈴ちゃんや村松程じゃないとは言え、家庭科得意だから良いけど、料理苦手だったらコーチ達はどうするつもりだったんだろう。
そんな事を考えながら、冷蔵庫を開けて食材を取り出した。
「「「「「いただきまーす!!」」」」」
なんとか作り終わり、元気の良い挨拶で食べ始める。
でも、ガツガツと食い始める・・・なんて事は無く、皆ゆっくりと食べながら、私の方をチラチラと見てきた。
いつもと変わらない様子なのは、海先輩と研磨くらい。
夜久先輩は、呆れた様に皆を見ている。
何だろう、美味しくなかった?
いや、そんな筈無いか。
私の料理、殺せんせーのお墨付きだし。
でも、好みは人それぞれだからな・・・。
なんとなく不安になっていたら、黒尾先輩が話しかけてきた。
「なあ、この料理って、Aちゃんが作った?」
「はい、」
「美味しくないようでしたらすみません」、そう続けようと思ったけど、その言葉は歓声に掻き消された。
ワケが分からず目を白黒させていると、研磨が呆れた感じで説明してくれた。
「皆は、合宿でマネージャーが作ったご飯を食べるって言うのが夢だったみたいでさ。それが叶って、しかも美味しかったから、こうなったみたい」
「ナルホド」
取り敢えず、美味しくないワケではなくて良かった。
・・・うわ、山本先輩号泣してる。
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一般人 - うるさいだけで文句つけに行くのは考えにくいかな。せめて、自分の席の周りで騒がれてたとか、誰かが困ってたから助けたとかならまだしも、うるさいからだけの理由はちょっと無理やりすぎる気がします。あくまで個人的に感じただけなので、あまり気にしないでください。 (2019年3月30日 0時) (レス) id: 363d66e5a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2018年8月20日 23時