マネちゃんは暗殺者 part２

電話と良かった ページ28

バスで青城に戻って、部室でボーっとしながら徹達の帰り支度を待つ。


もう皆帰っていて、まだ残っているのは私と徹と一兄だけだ。




する事も無いのでスマホをいじっていると、ピコン、と鳴った。


慌ててラインを開くと、カルマからメッセージがあった。




カルマ見つかったよ




何度か目を瞬いて、頰をつねって、それが現実だと認識すると、目から雫がいくつも溢れ落ちた。




「A、どうした！？」




ギョッとした様な一兄の問いには答えずに、「ちょっとゴメン」と言い残して外へ出た。




カルマに電話をかけると、ワンコールで出た。




「ライン、本当？」


『あんな嘘つかないって。本当』


「何処に居たの？」


『渚のスマホが見つかった所から、数１０キロ離れたビルの屋上』


「よく見つかったね」


『イトナと律が、ドローンで高い所を探してくれてたんだって』


「渚、無事？」


『今は気ぃ失ってる。身体に傷いっぱい』


「・・・犯人、誰？」




スマホを握る手に、力が篭る。




『・・・鷹岡』




やっぱり、と思った。


だって嫌な予感はしていたのだ、カルマの家で話を聞いた時からずっと。




「鷹岡はどうしたの？」


『俺らが発見した時は、コイツも意識無かった。何でどっちも意識無いのかとか、色々謎だから、目を覚ましたどっちかに訊く事になってる』


「その結果も教えてね」


『当たり前』




電話を切って、その場にしゃがみ込む。




「良かった・・・」




そんな言葉が、口から溢れた。




良かった、渚が見つかって。


良かった、まだ青城の試合を観る事が出来て。




・・・良かった。

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