マネちゃんは暗殺者 part２

律と早く ページ27

結局、青城の試合はストレートで終わった。


結構な点差をつけての圧勝。




「お疲れ様」


「うん！Aもお疲れ様」


「ほい、スコア」




そう言いながら、徹にスコアを付けたノートを差し出す。


今までコーチがやってたのを見て、真似して付けてみた。




こう言うのって、チームそれぞれに付け方があるから、音駒と同じ感じでやっちゃダメなんだ。




「ありがとう！うわ、スッゴイ綺麗」


「A、字丁寧だよな」


「アザっす」




やった、褒められた・・・って、それどころじゃ無い！




「徹ゴメン、ちょっとトイレ行ってくる！」


「う、うん！？行ってらっしゃい？」




ポケットにスマホが入っているのを確認して、トイレに駆け込んだ。




「律、居る？」




小声で、スマホに向かって話しかけた。




『はい！何でしょう？』




いつもなら、可愛い可愛いと１０回くらい連呼するところだけど、今はそんな場合じゃない。




「渚、見つかった？」


『いえ、まだです。ただ、渚さんのスマホの位置は特定出来ました』


「どこ！？」




律が答えたのは、椚ヶ丘から２駅分先の地名。




「それ、カルマ達にはもう言ったんだよね？」


『はい。木村さんと前原さんが向かったそうですが、渚さんのスマホだけが落ちていたそうです』




やっぱりそうだった。


ここまでしといて、ＧＰＳで捜索される可能性を考えていない筈が無い。




『磯貝さんがリーダーになって、今捜している最中です。烏間先生にもお伝え済みです』


「烏間先生、何て？」


『烏間先生は今、手が離せない仕事があるとの事です。代わりに、ビッチ先生が協力してきれると』


「そ、っか・・・。ねえ、律」


『はい』


「カルマに言っといて。『夜明けまでに見つけろよ。じゃなきゃマジで帰るからな』」


『了解しました』




律との会話を終えて、暫くボーっとする。




青城の試合を、最後まで観たい。




でも、渚は絶対に見つけなきゃいけない。こっちのが重要だ。


私だって、少しくらい役に立つだろう。




だから、だから。




「早く見つけろよ、カルマ・・・！」

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