銀ノ魂篇/伝わる異変 ページ6
「安心しな、くたばってもブツは奴等には渡さねェ。てめェよりよっぽど安全に保護してやらぁ」
「安全だァ!? こないだまで世界ブッ壊すとか言ってた中二病にポートピアが護れるワケねェよなAちゃん!」
「ポートピアの話じゃないと思うんだよね」
Aは最早真顔でそう返す。
そんな彼女の返答は聞かずに、銀時は自分の陰になっている所から顔だけを出している晋助にヘッドロックをかける。
「ちょっと泳げるからって調子に乗ってんじゃねェぞ、俺の
バシャンと晋助が銀時の顔を無理矢理水面につけた。
「何の自慢だ。そもそもてめェがさっさとそいつを渡せばこんな事になってねェんだよ」
「いだだだ、鼻に水入った、もう許さねェ!!」
「そりゃこっちの台詞だ!! さっさとそれよこせ!!」
遂には敵そっちのけで取っ組み合いを始める。
「始まった……」と呟き敵をどう1人で捌くかを考えているAが、急に川の中に姿を消した。下から誰かに引っ張られたかの様に。
同じ様に銀時と晋助も姿を消し、岸で彼らの様子を見ていたまた子と武市は目を瞠る。
息を呑んで彼等が消えた所を見つめていると、見覚えのある黒い羽織が背中の部分から浮いてくる。まるで……死体の様に。
「晋助様ァァァァァァァ!!」
叫ばずにはいられなかった。信じられなかった。
でも敵はすんなり信じたらしく、弓を下ろす。
___そして彼等の背後で、盛大な水飛沫が上がった。
ピンピンしている、Aと、銀時を背中に乗せた晋助だった。
晋助の背中の上で、馬に乗るどごぞの将軍の様に偉そうに銀時が叫び、彼は晋助によって敵に投げつけられた。
☆☆☆☆☆
「奈落……」
街で死ぬ男達の手の甲に八咫烏の印があるのを見て、土方十四郎はそう呟いた。
「2年前の戦で壊滅したはずの組織が……何故……」
バタバタバタという忙しない足音に後ろを振り返る。通りを町人達が慌てた様子で走っていた。
黒煙が昇っている。火事だろうか……いや。
「第3班は町民の避難の誘導を! 1班2班は現場へ急行しろ!! 急げ!!」
指示を出す土方に、「副長!!」と呼ぶ声。屋根の上を走る、メカメカしく変貌を遂げた山崎退である。
「山崎!! 状況は」
「市街の被害はそれほど。市民も早く異変に気づき避難したようで」
「お前が1番被害出してね?」
どんだけ荒々しく走ってるんだ。
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なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時