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銀ノ魂篇/声もなく共犯の約束を ページ32

「今頃奴等もさぞ驚いてるんじゃない?」


Aは、ニヤリと笑みを浮かべた。
人を困らせるのが好きな上に、今困っているのが自分から散々色々なものを奪っていった相手なのだ。一泡吹かせられて嬉しいらしい。


「自分達が狙ってた地球のターミナルが、先にどっかの誰かのテロの餌食になっちゃったんだから」

「おまけにそのターミナルを護る国は、中枢を失い混乱状態ときてる。焦燥と好機に同時に押されれば、天上から地べたを見下ろすエセ神様どもも降りてこざるをえまいよ」


銀時が木刀を握る手に力がこもった。


「……そのために、江戸をエサにしたってのか」

「銀時。俺達は、世界を滅ぼすかもしれねェ存在を救おうとしてんだ。お前、まだその意味解ってねェんじゃねェのか」


晋助が刀に手をかける。頭目がけ振ってきた木刀を頭を下げて避け、銀時の脚を突く様に攻撃する。2人の距離が離れた。

「あーあー」とボヤく様に言いながら立ち上がろうとしていたAの目が、急に鋭くなる。


「高杉ィィィ!! てめェ!!」

「銀ちゃん後ろ!!」


妹の声と後ろに感じた殺気に、銀時が目だけで後ろを見る。一般人の格好をした男達が、一般人とは思えない身のこなしで襲いかかってきていた。
左の男の鳩尾を蹴り、右の男の顔を木刀で思い切り叩く。だが、素早い対処も人数的には焼け石に水だ。

突然の奈落に目を瞠る銀時だが、また後ろから気配を感じて咄嗟に後ろを向く。晋助が腹に刀を刺してきた。


「どうやらお前は、心臓(そいつ)を持つにはふさわしくねェようだ」


刀が刺さっているのは、銀時が懐に隠し持っていた心臓。晋助はそれを剣先で引き寄せ、自分の手に収めた。


「コイツは俺が、有意義に使ってやらぁ」


銀時が追おうとするも、奈落に阻まれる。晋助は屋上の端まで走り、勢いを落とさずに踏み切って、隣のビルに飛び移った。しかし、銀時を気がかりそうに振り返りながらも同じ様にしようとしていたAは、端ギリギリで、目を見開いて足を止める。


「手柄を2人だけに取られては困るな」


晋助が彼の姿を認識したのは一瞬の事だ。だが彼の手からは、確かに持っていた心臓が消えている。


「ターミナルを破壊し、一国の総理大臣の首をとる。そんなマネが、テロリストと少女2人の手によって本当に行われたとでも。銀時、そんなマネができるのは、」


長い髪が風に吹かれて揺れた。


「それこそ総理大臣か、この攘夷志士桂小太郎をおいて他にない」

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なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
- 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時

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