銀ノ魂篇/カナヅチ ページ3
「それでもいいなら」
何かを言いかけたまた子を遮って、銀時は言った。
「アイツを止めてェなら、好きにしな。……本当は、そっちが正しいんだろうな」
少しわらう。それから、「じゃあな」と言い残し橋を飛び降りた。
驚いて欄干から身を乗り出すまた子と武市の横から、歩いてきていた商人風の男と老人も飛び降りた……どこからか、武器を取り出しながら。
だが2人は小舟に着地していた銀時の木刀に倒され、水飛沫を上げて川へと落ちる。
「オイ親父」
元々のこの船の持ち主らしい男に銀時は、突然の奇襲に驚いた様子も無く言う。
「舟にゆられながら1杯やりてェ気分なんだ。コイツで酒でも買ってきてくれ」
「ヘッ、ヘイぃぃぃ!」
男が怯えながら川に飛び込んだ瞬間、川の両岸から矢が降ってきた。まるで雨の様に。
銀時は動じず立ち上がると、木刀で矢を弾く。
岸に残っていた舟に乗り刀を差した男達が川へと出るのが見えて、また子は「白夜叉ァァァ!!」と叫ぶ。
「白夜叉、もう逃げられぬぞ」
川から出てきた者達も居た。銀時の乗る舟を囲うようにして、刀を抜く。
「あれは、返してもらう」
銀時は男達を木刀で殴り、蹴り、決して川に落ちぬよう舟を渡りながら戦う。
岸からまた新たな連中が来るのを認識して、舌打ちを洩らした。
「一つ所に長居しすぎたか。ったく、せわしねェ事この上ないぜ」
川から足を捕まれ、銀時が目を見開く。だがすぐに、掴んでいる腕が縦断によって離れた。岸で、また子が銃をこちらに向けている。
「勘違いするな!! 晋助様の手がかりをここで失うワケにはいかないっス!!」
「チッ、余計なマネを!! 来るんじゃねェ!! 敵が誰かも解らねェまま、軽はずみなマネしてんじゃ……」
足が滑り、銀時は川に落っこちた。
「あっぱぁぁぁ!! 助けてくれェェェェェ!!」
「いや、3、4行前の奴どこいったスかァ!?」
銀時の表情は必死そのものだった。前にも書いたと思うが、彼はカナヅチである。
「何モタついてんだまた子! てめェ高杉にチクんぞ、実写で別の男とファンタ飲んでたって!」
ブチ切れたまた子は標的を銀時に変えた。
彼女の後ろから武市が言う。
「また子さん、これ以上の介入は危険です」
「待つっス、あとちょっとでアイツをヘッドショットでき……」
気配を感じて振り返る。
彼等のすぐ後ろに、刀で首を刺され死ぬ男が居た。
243人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
春 - 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時