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銀ノ魂篇/人間 ページ18

その水槽に入っていたのは、天導衆だった。殆どただの肉塊にされながらも、確かに生きている天導衆共。

晋助はその中の1つの前に立つと、天導衆の目を睨みつけた。刀を抜き水槽を乱暴に斬ると、液体と共に天導衆の身体が床に落ちる。


「まだ……そんな目を、天導衆(われら)に向けるものがあったか」


晋助の目を見て、天導衆はそう言った。


「だが……恐らく、そなたの望みには……応えられぬぞ。今の天導衆(われら)には何の権力(ちから)もない。殺す価値は疎か、死ぬ事もままならぬ」

「……だからどうした。天導衆(てめェら)が何になり果てようが関係ねェ」


情景が浮かんでくる。全てが終わり、そして始まったあの日の情景。


「俺の左目はしっている。お前達が何をしたか。俺が何をすべきか」


コイツらが銀時に先生を斬らせた。
自分が銀時に先生を斬らせた。

閉じた左目は、もうあの日の事しか映さない。


「俺は変わらねェ。死に方が解らねェなら教えてやる。俺がくたばる時は、てめェらも全員一緒だ」

「それは酷な話だ。彼等はただの駒に過ぎない」


天導衆に刀を向けていた晋助の顔色が変わった。


「君達師弟をこんな運命に巻き込んだのは、(わたし)じゃないか」


先程まで緑色の皮膚をした老人の様だった天導衆の顔が、憎くて憎くて仕方がない顔に変わっていた。


「殺すなら私を殺すといい。だが既に(わたし)の因子は、その血と共に国中にバラまかれている。もうじき死にゆく君に、その全てを摘み取る事ができるかな」


目の前の奴だけではなかった。全ての水槽の天導衆が、虚に変わっている。

目を見開く晋助に虚は続けた。


「これが、君達の選んだ道だ。苦しみは終わらない。悲しみは終わらない。人間(きみたち)はまた、過ちを犯してしまったんだ」


目を手で覆い、頭を振る。もう1度天導衆に目を移せば、その顔は元の緑色に戻っていた。

自分に刀を振り下ろそうとする晋助に、天導衆は笑う。


「解らないのか。君達の敵はもう私じゃない」


鮮血が噴き出た。
晋助の、胸から。刀が後ろから刺さっているそこから。


人間(きみたち)だ」


血を吐きながら犯人を見れば、それは解放軍だったのであろう天人で。

反撃する暇も倒れる暇もなく、晋助はもう1度、今度は5人から、刺された。

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なのは(プロフ) - 更新しないですか?楽しみです!(>_<) (4月23日 0時) (レス) id: d007c1ae64 (このIDを非表示/違反報告)
いな - 面白かったです!最初から一気に読みました!これからの展開が楽しみです!! (2023年2月4日 10時) (レス) id: 200a1f85db (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 続きが気になって目が乾燥帯になってます、続きとかは、もう出ないんですか? (2022年8月9日 10時) (レス) id: c4efed8c6d (このIDを非表示/違反報告)
- 続きはもう出ないんですか?気になって夜しか寝れません (2022年8月8日 22時) (レス) id: 79fd85110e (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - わかさん» ありがとうございます、候補に加えさせていただきます (2021年8月31日 20時) (レス) id: d7263fa231 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆず | 作成日時:2021年2月13日 0時

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